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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

レトロゲーム回顧録その3 ドラゴンクエスト

ゲーム レトロゲーム レビュー ドラクエ

ドラゴンクエスト(以下ドラクエ)を初めて知ったのは、ジャンプの速報でもなければファミ通でもなく、友達がウチにソフトを持ってきてくれたからだった。

ドラゴンクエスト

ドラゴンクエスト

 

多くの日本人と同じく、当時の自分はRPGなどというジャンルは聞いたことがなく(実際には「ローグ」で既に触れていてのだが忘れていた)、「ゲームオーバーのないゲーム」とか、「いつまでもプレーできるゲーム」という触れ込みで紹介された。

実際に遊んでみると、すぐ他のゲームとの違いがわかった。これは今までような、上手さを競うタイプのゲームではない。自分が主人公になって、冒険をするゲームなのだ。

ラダトームの城を出ると、広大なフィールドが広がっていた。隣にはラダトームの町があり、対岸には毒の沼地に囲まれた城が見える。城や町の人々の話を聞いていれば、あそこにラスボスの竜王が住んでいることがわかる。否が応でもテンションが上がるゲームデザインだ。


ドラゴンクエスト1 FCプレイ1 ラダトーム城・町 - YouTube

このゲームの驚くべき点は、この十数時間に及ぶ冒険の全てが、わずか64KB(!)の容量の中に収められている点である。64KBといえば、今では画像一枚分にもならない。

容量削減のためにカタカナは一部しか搭載されておらず、「イカキコシスタトヘホマミムメラリルレロン」の20文字しか使えなかった。ゲームの舞台は「アレフガルド」ではあるが、実はゲーム内では一度もその名前は言及されていない。「ア」が使えなかったためだ。

それでも、限られた文字数、メモリの中で、印象的なセリフは数多く生まれた。いわゆる「堀井節」というやつである。とくに、ローラ姫を救出したあとに宿屋に直行した時の「ゆうべはおたのしみでしたね」は、現在だったらCEROの審査的にどうなの?とか思ってしまうほどだ。まあ、リメイク版でも変わらないので問題はないんだろうけど。

ラスボスである竜王は、最初に出てくる形態を倒すと正体をあらわし、巨大なドラゴンの姿になる。後のRPG全てに影響を与えた「数段階変身するラスボス」が、すでに最初のドラクエで実装されていることに驚く。

エニックスへのアンケート葉書を出したことから、エニックス関連のゲームに楽曲を提供することになったすぎやまこういちが、わずか一週間で仕上げたという楽曲の数々も素晴らしく、それをファミコンの三和音に落とし込んだスタッフの腕も見事としか言いようが無い。

鳥山明の手によるモンスターデザインも、後のRPGに与えた影響は大きく、特に「スライム」は、それまでのゲームでは粘液状のモンスターが主だったのに、ドラクエ以降はプルプルしたゼリー状のモンスターとして描かれることになった。

ドラクエは、週刊少年ジャンプとタイアップして大々的に宣伝された。というのも、ジャンプで人気のファミコンゲーム紹介コーナー「ファミコン神拳」のライターである「ゆう帝」が、まさに堀井雄二その人だったからだ。(WiiのドラゴンクエストI・II・IIIの復刻版冊子より)

 

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で、ジャンプで初めてドラクエが紹介された時の画像がこれ。

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自分で作ったゲームを「ファミコン史上最強」とかいっちゃっているあたり、堀井雄二の凄さというか図太さが伝わってくる。

でも、そのセリフの通り、ドラクエはある意味ファミコン史上最強のゲームだった。

ドラクエの後、日本では雨後の筍のごとくRPGがリリースされ、今でも日本で最も人気のあるジャンルはなんだかんだでRPGなのだ。

ドラクエは、その後の日本のRPGのテンプレートになった。チュートリアルを兼ねた小さなイベントから始まり、レベリングしながらコツコツフラグを立てて決まったシナリオをなぞっていく。セーブは基本的にセーブポイントで行うため、フラグ管理のミスで「詰む」事はない。その分、自分の選択によって大きく世界が変わることもない。いわゆる、ストーリードリブンなRPGなのだ。

海外のRPGでは、キャラメイキングから始まって、世界を冒険する自由度をいまでも残し、基本的にオープンワールドな世界であるのに対し、日本のRPGはストーリードリブンな閉じた世界である事を突き詰めていった。それはやはりドラクエがストーリードリブンなRPGとして作られ、そして後にJRPGと呼ばれることになるジャンルを定義付けたからに他ならない。

コンピューターRPGの元祖「ウィザードリィ」ですら、日本で発売するときには、数々の現代的なパロディを廃し、正統派ファンタジーRPGとしてローカライズされた。たとえば、有名な「カシナートの剣」は、元々はクイジナートのフードプロセッサの刃という駄洒落なのだが、日本では「伝説の名工カシナートの手による名剣」ということになっている。

ドラクエがあまりにも面白かったので、「ドラゴンクエストII」は自分のお小遣いで買った。

が、ロンダルキアの雑魚のあまりの強さに、子供時代の自分は恐れおののくことになろうとは、その時は知る由もなかったのだった。