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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

ガラパゴス化する日本ゲーム業界。

日本でPS4が発売されてからもうそろそろ1年が経とうとしている。

 

日本においては、やれ「据え置き機の時代は終わった」だの、「これからはモバイル」だの「任天堂もソーシャルに参入せよ」などと、コンソール終末説が幅を利かせているが、PS4の売れ行きは、前世代機どころか、モンスターマシンと言われたPS2のペースをも上回っており、欧米のハードコアゲーマーが新世代機の登場を心待ちにしていた事を如実に物語っている。


PS4の販売台数が1850万台を突破 プレステ史上最速ペース - ライブドアニュース

 

ソニーの最新の決算でも、ゲーム事業とデバイス事業が好調に推移し、黒字に転換する見込みだ。ワールドワイドな視点で見れば、PS4は売れに売れているのである。


ソニー、通期営業益200億円 一転黒字へ 画像センサーやゲーム機好調 :業績ニュース :企業 :マーケット :日本経済新聞

 

翻って日本のゲーム業界では、PS3Xbox360の時代に、欧米のソフトハウスに技術的な面とワールドワイドでの売上で大きな差を付けられて、前世代機の発売から9年以上がたった今でもそれを縮められないでいる。一体なぜこのようなことになってしまったのだろうか?

 

開発費が高騰し、大作ゲーム以外が売れない時代になってしまったという意見もあるが、それは全世界共通の問題であり、日本だけが置いて行かれた理由にはならない。むしろ、そういう時に携帯ゲーム機にこぞって逃げてしまった日本のメーカーがそれを言うべきではない。というより、それこそがこうなった大きな原因の一つですらある。

 

だが、個人的には「日本のゲームメーカーが、ユーザーの育成を怠った」のが原因だと思っている。

日本では、ゲームはあくまで子供向けの娯楽として扱われている。大人になってもゲームをやっていると、「まだゲームなんてやってるの?」と言われることもある。スマートフォンが普及した今では、パズドラ等のヒットもあって、社会人がゲームをやっていても奇異の目で見られることは、以前ほどではなくなったが、それでもまだ「ゲームは子供のもの」だろう。

 対して欧米では、「ゲームは大人もやるもの」である。

ゲーマーの平均年齢は30代後半から40歳前後。かつてはPCでゲームをするのが当然であったが、コンソールの性能がミドルクラスのPCに近づいたことにより、PCと比べてもわりと遜色ない内容でゲームがプレイできるようになった。さらに、XboxがPCの開発環境をコンソールに持ち込んだことにより、PCからの移植や同時開発が容易になった。

こうして、欧米のゲーム会社は、従来の任天堂ソニーを中心とした低年齢ユーザーに加えて、PCでゲームを楽しんでいたコアユーザーを獲得できた。PS3Xbox360の時代になると、そういったユーザー向けに沢山のゲームがマルチプラットフォーム展開で発売されて、CoDシリーズなどは数千万本クラスのフランチャイズに育った。

 

だが、日本のPCゲーム業界には、そういった市場は殆ど無かった。

日本においてPCゲームといえば、エロゲーが大半だったのだから。それをコンソールにそのまま移植するのは不可能だし、移植した所でミリオンヒットするような事もさすがに望めない。 だから、従来型の制作体制で従来のユーザー向けのゲームを出し続けるしか無かった。

時々、モンハンなどのようなヒットは生まれるものの、あくまで日本でしか通用しないタイトルであり、ワールドワイドで売っていかなければ大作ゲームの開発費が回収できない時代が到来すると、もはや日本のメーカーに打つ手は残されていなかった。小さなソフトハウスの話をしているのではない。バンダイナムコセガといった、かつての巨大なゲームメーカーが、もはや世界に向けて微々たる影響力しか持たない時代が到来してしまったのだ。

 

しかし、90年代後半、日本のゲーム業界は黄金時代を迎えていた。コンシューマーだけで6000億円の市場規模があり、アーケードも含めると1兆円にも届かんばかりの勢いだった。元々、数億円〜数十億円の開発規模で大作ゲームを作るのは、日本の巨大ゲームメーカーの専売特許だったのだ。ファイナルファンタジーVIIなどは一部報道では140億円かかったと言われている。


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 そういう時代に、将来を見据えてユーザーを育てておくべきだったと思う。ライトなユーザーや、キャラクター人気に食いつくユーザーだけでなく、「ゲームをゲームとして楽しめるユーザー」を育成するような作品をリリースしておくべきだった。

だが、PS時代のヒットゲームの法則が未来永劫通用すると思った日本の巨大ゲームメーカーは、そういう努力をあまりしなかった。続編という名のマイナーチェンジや、故山内溥氏のいう「量的拡大」にばかり走って、縮小再生産を繰り返してしまった。

その結果、2013年のコンシューマー分野は4000億円程度にまで落ち込んでしまった。スマートフォンのゲームの売上が伸びて、業界全体では1兆円を超えているが、これはマネタイズが露骨なゲームが、売上を押し上げているからであり、「日本のゲーム業界」が盛り上がっているかというと、とてもそうは思えない。むしろ、衰退しているという考え方の方が正しいだろう。

PS3Xbox360の時代に生まれ、ワールドワイドでヒットしたと言える日本の新規IPがどれだけあるだろうか。ダークソウルやドラゴンズドグマデッドライジング、キャサリンベヨネッタなど、ぱっと思いつくタイトルはあるにはあるが、いずれもマニアには評価されたが、ヒットしたとまでは言いがたい。

任天堂は定期的に新規IPを投入してはいるが、肝心のWiiUで失敗して、いまはそのツケを払っている最中であり、復活まではあと数年かかるだろう。なにしろ、Wiiが大ヒットしてしまったおかげで、ハードウェア自体が一世代遅れてしまったのだ。

 

日本国内ではどちらかと言うと、携帯ゲーム機のゲームにヒットが目立つ。モンハンもそうだし、フォロワーとしてハンティングアクションといわれるいくつかのゲームも、基本的な主戦場はみな携帯機だ。だが、携帯ゲーム機が売れているのは主に日本だけなのだ。3DSは売れていることは売れているが、コンソールの売上をリプレースできるほどの市場規模ではない。

 

日本のゲームは技術力が高いなどというのも、もはや幻想である。なにしろ、PS4やXboxOneが発売されて1年も経つのに、日本のゲームメーカーから発売されたゲームといえば、前世代機との縦マルチばかりなのだ。

「欧米のゲームはゲームエンジンを使って効率的に作っているが、日本のゲームは職人技のようなきめ細かさで作られている」という特集をNHKが数年前に放送したことがあったが、本当にそう考えているのであれば、もう日本のゲーム業界が復活することは不可能だろう。

 

日本のゲーム業界は、日本映画がかつて差し掛かったような分岐点に立っていると個人的には考えている。つまり、ハリウッド映画が日本語訳されて公開されるように、海外の大作ゲームがローカライズされて発売され、日本のゲームは小規模だがアイデアに優れた国内限定のニッチなニーズに応える、という棲み分けだ。

それすら出来ないメーカーになると、テレビが普及して多くの映画会社が倒産し、テレビに人材が流れたように、スマートフォンの子供だましのゲームを作り続けるしかないのだろう。かつての「トレンディドラマ」のように。そしていつかは誰も見向きもしない時代がやってくるのだ。

 

UBIのCEOが言っていた「日本は流れを先取りしているところがあって、日本で起きたことが10~15年後に世界でも起きるということがいままでにもよくあった。世界市場がモバイル、ハンドヘルドが中心になってしまうと困ったことになる」というセリフが現実にならないことを、今はただ祈るのみだ。


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ちなみに、今期における肝心のソーシャルはというと…


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どうなんでしょうねぇ。