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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

レトロゲーム回顧録その11 R-TYPE

ゲーム レビュー レトロゲーム

中学生時代、我が町のゲームコーナーでグラディウスIIの攻略に励んでいた頃、もう一つのゲームにもハマっていた。シューティングゲーム(STG)にありがちな、銀色を基調とした金属的なグラフィックスに加えて、それとは対照的な極めて生物的なグラフィックスが同居する、後にアイレムを代表するゲームとなる傑作STGR-TYPE」である。


AC版 初代R-TYPE ステージ1~2 - YouTube

R-TYPEの名前は、プレイする前から知ってはいた。PCエンジンのローンチタイトルとして大々的にファミ通等で宣伝されていたからだ。STGがローンチの目玉というのが、なんだか時代を感じさせる。

記事の写真などで画面の雰囲気はわかってはいたが、実物が動いているところを見たことがなかったので、ゲームコーナーで有機的な敵の巨大なボスなんかが、グリグリ動いているのを見た時は驚いた。

そして

キガ ツク トワ タシ ハバ イド タイ ジニ ハマ ツテ イタ 

 

R-TYPEが後のSTGに与えた影響は極めて大きい。

初出ではないらしいが、最もインパクトがあったのが、このゲームの一番の特徴であり、フォロワーを星の数ほど生み出した「波動砲」だろう。ショットボタンを押しっぱなしにしてエネルギーを溜め、ボタンを離すことによって強力なショットを放つこのギミックは、STGのみならず、色々なジャンルのゲームに取り入れられることになる。

 

次に、自機のオプション的な存在「フォース」だ。

それまでも、グラディウスシリーズのように自機を追尾したり、ツインビーのように自機の動きをトレースするものはあった。だが、R-TYPEのフォースは、それらのどれとも違った特性を持っている。

最も特徴的なのは、敵の通常弾を防いでくれるバリア的な役割を果たしながら、尚且つ無敵(破壊されない)であることだ。フォースは自機の前方と後方に任意で付け替えができる。さらには自機から切り離した状態では、ショットボタンを押すことで遠隔攻撃をすることが出来るのだ。

また、切り離す際に勢い良くフォースが射出されるのだが、この時のフォースにも当たり判定があり、一直線に並んだザコ敵などは一掃することが出来る貫通力を持っている。

さらに、ボスなどの一定の耐久力を持った敵の弱点等にフォースを射出し、めり込ませることによって、食いついたような状態になり、自機の動きとは別軸での攻撃が可能になる。

R-TYPEの白眉なところは、パワーアップアイテムを取ることによって成長するのが、自機ではなくこのフォースだというところだ。これにより、戦略性の幅を増している。「武器であり、盾であり、それ自体が攻撃力を持つ無敵のオプション」というアイデアも、以降のゲームに多大な影響を与え、多くの作品で取り入れられた。

 

そして、その特徴的なグラフィックスも衝撃的だった。

機械と生物が互いに侵食し合ったかのような、生々しくグロテスクなそのデザインは、STGのみならずあらゆるゲームに影響を与えた。その象徴とも言えるのが、1面のボスである「ドブケラドプス」だろう。


[PSone] R-TYPES / R-TYPE Stage1 - YouTube

 

ボスで言うなら、3面のボスであるグリーンインフェルノの存在も捨てがたい。とはいえ、グリーンインフェルノなどと名前で呼ぶより、巨大戦艦と言ってしまったほうがわかりやすいし、しっくり来るだろう。


R-Type (HD) - Stage 3 (R-Types Collection / PS1 ...

ステージまるごと巨大な戦艦との一騎打ちなどという展開は、それまでのゲームには存在し得なかった。このシチュエーションも、御多分にもれず後発のゲームにどんどんパクられ採用されていくことになるのだ。

 

グラディウスが、ステージごとに雰囲気やBGMを変更し、STGのステージ構成に革命を起こしたように、R-TYPE波動砲やフォース、グラフィックスデザインによって、STG界に衝撃と革新をもたらした。

それまで殆どSTGなど作ったことがなく、ヒット作といえばスパルタンXスペランカーくらいしかなかったアイレムから、突如としてこれほど毛色の違うゲームがリリースされたというのが驚きである。今で言えば、ガストがいきなりギアーズオブウォーをリリースするようなものだろうか。あ?、ねぇよそんなもん。

 

R-TYPEは音楽も気に入っている。

FM音源ではなくPSGのようないわゆるピコピコ音むき出しのサウンドだが、それがまたいい味を出しているのだ。メロディが素晴らしく、以前にネットにアップされたピアノの自動演奏の動画は、ピアノと原音のイメージがピッタリあっていて、R-TYPEのBGMの不気味さを醸し出していた。


ピアノに「R-TYPE」を演奏させてみた - YouTube

そして、ずいぶん時間が経ってから発売されたイメージアルバムも買った。

R-TYPE Special

R-TYPE Special

 

R-TYPEIIのボス戦の、恐ろしくも静かなアレンジから始まるこのアルバムの完成度は非常に高く、いわゆる「捨て曲」のない素晴らしいアルバムに仕上がっていると個人的には思っている。出来ればデジタルリマスターして再販して欲しいのだが、権利的に今では難しいのかしら?

ちなみに、このアルバムのライナーノーツにはR-TYPEシリーズの設定なんかが書いてあって、無駄に壮大だったのを覚えている。初出がこれだったのかどうかは定かではないが、やたら格好良い設定だった。

それは26世紀の人類が生み出した惑星級の星系内生態系破壊用兵器のなれの果てであった。

 

銀河系中心域に確認された、明らかに敵意を持った外宇宙生命体との接触に備えて建造されたそれは、反応兵器や次元兵器と異なり空間を汚染することなく、その効果範囲における全ての生態系を破壊する局地限定兵器であった。

 

月とほぼ同じ大きさのフレ-ムの中に満たされた、すべてを侵蝕し、取り込み、 進化して、自分以外の生命体すべてを喰い尽くすまで活動を続ける人の手による絶対生物、それは、生体物理学、遺伝子工学、魔道力学までも応用して合成した人工の生ける悪魔だった。

 

これをバイパスパイルを通じて空間跳躍(D-wape)させ敵の母星の存在する星域に送り込み全滅させる計画は完璧に進んでいるように見えた。
だが、ほんの些細なミスによって"それ"は太陽系で発動した。
150時間荒れ狂った"それ"は次元消去タイプの兵器によって異次元の彼方へ吹き飛ばされ、一応の決着を見たのである。26世紀では。

 

だが、"それ"は生きていた。
異次元の中で進化を続けながら胎動を繰り返す肉塊。
気の遠くなるような彷徨の果て、時間を乗り越え、その力の発現した先には22世紀の地球があった。

 ※R-TYPE Specialライナーノーツより引用。

 

勿論、初代R-TYPEの時点では「バイド帝国」などという表記があるので、この設定は後付けで作られたものなのは間違いない。それでも、同じ母星の危機を迎えながらも、どこか爽やかなイメージのあるグラディウスシリーズとはあきらかに違う方向性であることはこういうところからもよくわかる。

 

残念ながらR-TYPEは、2003年の「R-TYPE FINAL」をもってSTGのシリーズを完結としている。


R-TYPE FINAL DEMO - YouTube

アイレム自体がもうゲームの開発よりもパチンコの方に比重を置いてしまっているので、今後、R-TYPEの新作STGが登場するのはあり得ないのだろう。

それが残念でならない。