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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

地上波のサッカー中継で気になってしまういくつかの事。

よく聞く言葉。

2015シーズンのJリーグが、本日のJ1のスタートをもっていよいよ開幕する。今シーズンからは冠スポンサーがついたので、正式には「明治安田生命Jリーグ」となる。

自分は基本的にスカパーでJ1〜J3までの試合をチェックしているが、スカパーで生中継をやらない試合や代表戦などは、どうしても地上波で見ざるを得ない。そして、地上波でサッカー中継を見ていると、いくつか気になる事があるのだ。

 

例えば、下記の動画のように小気味良くパスが繋がった時、よく発せられる言葉がある。それは「ダイレクトプレー」だ。


アーセナル、バルサ顔負けの美し過ぎるダイレクトパス回し&ゴール - YouTube

上記のようなゴールをもし日本代表が決めたら、きっと松木安太郎あたりがいうことだろう、「素晴らしいダイレクトプレーでしたね!」とかなんとか。

実はこの言い回しは大きな間違いを含んでいる。「ダイレクトプレー」とは、ダイレクト(ワンタッチ)パスを繋いでいく戦い方のことを言うのではないのだ。だが、本職の解説者ですら、いまだに間違えて使っている人も多い。

 

そもそも「ダイレクトプレー」とは?

1998年フランスW杯で三戦全敗に終わった日本は、大会後のテクニカルレポートで、この「ダイレクトプレー」の重要性を説いた。当時はそういうプレーが有効だと分析されたのだ。では、「ダイレクトプレー」とは一体何なのか。

下記のNumberの記事から引用しよう。


ダイレクトプレーって何?言葉の“誤用”にご用心。~サッカー界の造語がはらむ危険性~ [SCORE CARD] - Number Web - ナンバー

 当時のテクニカルレポートでは、ダイレクトプレーをこう説明している。

〈常にゴールを意識して、シンプルに相手の守備ラインを崩し、ゴールに結び付けるプレーまたは、相手の一瞬の隙をつくようなプレー(後略。原文のまま)〉

 J1第9節の川崎対磐田戦で、中村憲剛矢島卓郎のゴールをお膳立てしたスルーパスなどは、まさにダイレクトプレーのお手本だった。中村は自陣でボールを持ちながらも磐田の油断を見逃さず、一発でゴールへ直結するパスを、DFラインの背後に通している。

 ポゼッション全盛の時代においても、ダイレクトプレーは必要不可欠。その意識は、点を取るためには失ってはいけないものなのだと、再認識させられた。

なるべく手数をかけずに、ゴールに直結するようなプレー、つまり、「ダイレクトにゴールに向かう」から「ダイレクトプレー」というのである。この場合、パスは少なければ少ないほどいい。柿谷がいた頃のセレッソのような、一発のパスで裏を取ってそのままゴールしてしまうようなプレーが、典型的な「ダイレクトプレー」なのだ。


柿谷曜一朗が今季9ゴール目! セレッソ大阪 vs 名古屋グランパス 5月25日 ...


Kakitani Goal 柿谷スーパートラップでゴール! 浦項VSセレッソ大阪 2月 ...

 

つまり、冒頭のアーセナルが見せたようなゴールは、「ダイレクトプレー」とはむしろ真逆のプレーだといえる。ここを間違えて覚えてしまうと、サッカーの中継を見ていても、何が何だかわからなくなってしまうだろう。解説する側が間違えて使っているのであれば尚更である。

 

ホーム?アウェー?

地上波やBSのサッカー中継におけるスコア表示は、基本的に守っているエンドを起点にして表示されている。ご丁寧にハーフタイムでエンドが入れ替わると、スコア表示も入れ替えている。

下記のハイライトを見てもらえば、前半と後半で日本とオランダの表示が左右入れ替わっているのに気がつくはずだし、多くの日本人は特に違和感なくこの表記に慣れているだろう。


2013 11/ 16 サッカー 日本×オランダ 国際親善試合 ハイライト - YouTube

 

だが、世界的には左側にホームチームのスコアを表示し、右側にアウェーチームのスコアを表示するのが当たり前なのだ。そして、ハーフタイムで入れ替えるなどということもしない。

例えば、下記のブンデスリーガ第21節レバークーゼンvsヴォルフスブルクの試合(なんか動画は途中から始まってしまうが)は、双方合わせて9点が入るという大入りの試合になったのだが、スコア表記はホームのレバークーゼンがずっと左側である。これが普通なのである。


Bundesliga. Bayer 04 Leverkusen (4-5) VfL ...

どっちが勝っているのかわからないという主張をするTV関係者もいるかもしれないが、チーム名も表示されているのにそれはいくらなんでも視聴者の読解力を馬鹿にし過ぎなのではないか。

 
「解説者」は日和見ではいけないし、ましてや「応援者」でもない。

あとよくあるのが、オフサイドの時に、明らかにラインから出ているのに「微妙ですねぇ」などといって、判定に異議を言わないこと。これも良くないと思う。だって、間違いは間違いなので、正さなければいつまで経ってもジャッジングのレベルは上がらないのだ。

まあ、百歩譲って、あまりにも早い展開の中で起きた判定ミスには目をつぶる事にしても、ルールの解釈や適用間違いは許される問題ではない。古い話になるが、2005年のW杯アジア予選では、下記のような誤審が起きている。

2005年9月3日に行われた2006 FIFAワールドカップ・アジア予選 5位決定戦のウズベキスタン代表-バーレーン代表戦での誤審(本来、PKの蹴り直しとなるところをルール適用のミスで相手の間接FKとした)により、FIFAAFCから国際審判資格の無期限資格停止処分を受けた

※ 元国際審判吉田寿光氏のWikipediaより引用。

 

人間なので、どうしても一瞬の出来事は見逃してしまうこともあるだろう。だが、ルールの適用に関するミスは審判としてやってはいけないミスだ。

Jリーグでもこういう事はたまに起きている。見る側はともかく、伝える側はこういうことが起きた時に備えて、毎年マイナーチェンジするルールを頭に叩き込んでいて欲しいし、間違いは間違いときちんと主張して欲しい。

とくに日本代表の試合になると、ペナルティエリアで日本の選手が倒れただけで。PKを盛んに主張する解説者が多いが、本当にファウルだったのかどうかを冷静に分析して伝えてくれないと、いつまで経っても見る側のレベルも上がらないだろう。解説者席にいる人間は、応援に行っているわけではないのだから、きちんと解説の仕事をしてほしいものだ。

 

地上波のサッカー中継レベルは上がるのか。

いまのJリーグの地上波放映権は、NHKとTBSが持っている。だが、TBSは基本的に関東ローカルでしか中継をしてくれない。それですらも、最近は全然やらなくなった。自分は殆どの試合をスカパーで見ているが、今シーズンは久しぶりにTBSが地上波でJリーグの試合を放送するという。だが、なぜか第2節だったりする。なぜ普通に考えて最も注目の集まる開幕戦ではないのかは不明だ。


TBS 4年ぶりJリーグ地上波生中継「変革の年 意味ある」 ― スポニチ Sponichi Annex 芸能

 

正直デーゲームなので、視聴率が取れるとは思えない。せいぜい3%が関の山だろう。TBSは今シーズンからチャンピオンシップの放映をするので、そのためのご祝儀的な意味で中継を復活させるのかもしれない。今のところ、訳の分からない企画やクイズなどは用意されていないみたいなので安心しているが、正直言って、スポーツ中継にバラエティ色は持ち込んでほしくない。

 

「変革」に必要なこと。

後年、2015年が本当にJリーグの変革の年だったと言われるためには、伝える側の意識の変革も必要だと思う。それは、すぐには数字に跳ね返ってこないだろう。だが、イベントとしてではなく、本当のスポーツとしてJリーグを楽しむ人が増えれば、必ず日本サッカーのためになるし、いつかは「あの局のレベルの高い中継が見たい」と言ってもらえるようになるはずだ。

種は蒔かねば収穫できないのである。そして、蒔くなら今が最後のチャンスかもしれないのだ。