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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

ある意味驚くべきVAIO Phone。

ガジェット
姿を表したVAIOスマホ

以前から箱だけチラ見せされたりして、ネットメディアではわりと話題になっていたVAIO株式会社初のスマートフォンが、去る3月12日にようやく発表された。

価格.comマガジン 「VAIO Phone」誕生! 日本通信とVAIOのタッグが生み出した渾身のミドルレンジスマホ


速報『VAIO Phone』の実力は? 通信速度は? 最速タッチ&トライレポート - 週アスPLUS

 

VAIO株式会社にスマホを作るリソースはあったのか。

メディアの皆さんは頑張ってVAIOPhoneを褒めているが、正直言って「予想していたよりももっと酷いのが出てきた」というのが個人的な感想だ。

スペックを価格.comの記事から引用すると

基本スペックは最新の高性能モデルと比べると少々劣る。

CPUには1.2GHzのクアッドコアCPUを搭載。展示機で確認したところ、

Qualcomm MSM8916」という旧世代のミドルレンジスマホ向けのSoCだった。

内蔵メモリーはROMが16GB、RAMが2GB。バッテリー容量は2500mAhで、

連続通話時間は800分、連続待ち受け時間は500時間。

バッテリーの取り外しはできない。

対応するネットワーク周波数帯は、3Gが2100/800MHz、

4G/LTEが2000/1800/800MHz。IEEE802.11 a/b/g/n準拠の無線LAN

Bluetooth 4.0をサポートする。そのほか、GPS、加速度センサー、

近接センサーなどを搭載。カメラは背面が1300万画素、前面が500万画素。

となる。各社の記事で「VAIOPhoneはミドルレンジ」ということになっているが、正確に言えば「旧世代のミドルレンジ」というスペックになってしまうのだ。

以前のエントリ

なまえのないかいぶつ、VAIO Z。 - Yukibou's Hideout on Hatena

で、VAIO株式会社の限界が初号機であるVAIO Zで早くも見えてしまったと書いたが、今回発表されたVAIOPhoneを見て、本当にVAIO株式会社にはリソースが残されていないのだなと思わざるを得なくなってしまった。

 

普通すぎるVAIOPhone。

正直なところ、自分が言いたいことは殆ど下記のITmediaの記事が語ってしまっている。


石野純也のMobile Eye(3月2日〜13日):フタを開けたら“ごく普通の端末”だった――VAIOらしさが感じられない「VAIO Phone」の危うさ - ITmedia Mobile

そう、普通なのだこの端末は。普通のよくあるAndroid端末。

それもそのはず、製造は日本通信が主導し、しかも台湾の会社のOEM。VAIO株式会社が関わった部分はほぼデザインのみというのだから「VAIOらしさ」が微塵も感じられない端末が出てきても何もおかしくない。どうしてこんなものに「VAIO」の名前をつけてしまったのかと首を傾げざるをえない。

 

VAIO。その込められた想い。

元々、VAIOとは「Video Audio Integrated Operation」の頭文字を取ったもので、2008年には「Visual Audio Intelligent Organer」に再定義したとわざわざソニープレスリリースを出したほど、この名前には強い思いが込められている。

件のプレスリリースを一部抜粋しよう。

 VAIOを通じて、高い付加価値を創造し、それをお客様へ提供するために、常に高みを目指してきたQuality (クオリティー=質)・Design(デザイン)という要素に、Intelligence(インテリジェンス=知性)を新たに加えます。
これにより、“持ち主の気持ちを汲み取ることができる”、“「人となり」を表現できる”、“感動をもたらす存在となる”、 という3つの付加価値と体験をお客様へ提供していきます。また、製品だけではなく、販売やサポートなど全ての 環境で同様の体験を提供することも目指していきます。 

このプレスリリースを見るまでもなく、VAIOとは単なるブランド名などではなく、「ソニーVAIOを通じて高いユーザーエクスペリエンスを提供する」という意志を表した言葉でもあった。そう、Appleの「Think Different」のように。

ソニーに切り離されたとはいえ、VAIO株式会社は規模は小さくなったとしても、その意思は継いでくれるものだと思っていた。たとえVAIO Zが以前のVAIO Fitの焼き直しであったとしても、時間はかかるだろうが、いずれ「真のVAIO」と呼べるものを創りだしてくれると、かすかな希望を抱いていた。

 

だが、今回のVAIOPhoneはそんな期待を大きく裏切るものだった。

こんなものを発表するために、何ヶ月も前に日本通信との協業を発表したり、わざわざ箱だけ先に見せたりして話題作りをしていたというのだろうか。VAIOというロゴが付いただけの、ごくありふれたロースペックAndroid端末の為に。

 

VAIOブランド」を使うということ。

今回の発表会においてVAIO株式会社の代表取締役社長、関取高行氏は下記のように語った。

「正直申し上げて弊社はまだ始まったばかり。リソースも通信技術も限定的。今回のVAIO Phoneはデザインと一部のエンジニアリングのご提供はしているが、事業主は日本通信 

なにか他人事のようなコメントだが、このVAIOPhoneはVAIO株式会社が発表した二つ目のプロダクトとして、色々なメディアに取り上げられているのだ。そして、普段ガジェット系のニュースを伝えない一般メディアでは下記のような伝え方をされる。


VAIO、格安スマホ参入へ…古巣ソニーと競合 : IT&メディア : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

そう、主語はVAIOなのだ。

いくら社長が「事業主は日本通信」と言おうが、世の中はVAIOPhoneを「VAIOブランドの新しい端末」というふうに捉えるのである。

 

VAIOの明日はどっちだ。

VAIOを取り上げた以前のエントリ

あの頃憧れたVAIO。 - Yukibou's Hideout on Hatena

で危惧していたことではあるが、セカンドプロダクトにして早くも名義貸しのようなことをしてしまった、VAIO株式会社の未来が心配だ。

売れるか売れないかの心配をしているのではなく、かつてソニーイノベーションの中核を担っていたはずの、VAIOというブランドが安売りされていくような気がしてならないからだ。