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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

レトロゲーム回顧録その15 スターソルジャー

小学生の頃、いつだったかのコロコロコミックで、ファミコンスターフォース、つまり「ハドソンの作るスターフォース」の続編が開発中であることを知った。その名もスーパースターフォース

その時の誌面がどんな感じだったのかは殆ど覚えていないが、その後、スターフォースの本家テクモが同名のゲームの開発を表明したため、ハドソン版の方は名前と一部仕様を変更して、別のゲームとして発売されることになった。それこそが「スターソルジャー」だ。

スターソルジャー

スターソルジャー

 

 


【スコアアタック】 スターソルジャー 1面348200点 - YouTube

スターソルジャーの特徴は、とにかく連射である。というより、連射が出来ないと話にならないゲーム性になっている。それもその筈。時は1986年、あの高橋名人の人気絶頂期に発売されたゲームなのだ。

当時の高橋名人ブームは凄まじく、全国ゲームキャラバンや、コロコロコミックとのタイアップがあったとはいえ、「ファミコンランナー高橋名人物語」などの漫画化や、歌手デビュー、果ては毛利名人との対決映画まで作られるほどであった。

GAME KING 高橋名人VS毛利名人 スターソルジャー 全5ラウンド 30分 - YouTube


Takahashi Meijin singing "Runner" on a show - YouTube

ちなみに、漫画の「高橋名人物語」は、子供心に「んなわけあるかよw」とか思いながら楽しく見ていたのであるが、実は連載は打ち切りだったらしい。高橋名人のブログでその顛末が紹介されているが、俗にいう大人の事情というやつである。

下記に高橋名人ブログより該当部分を引用する。


1987年|高橋名人オフィシャルブログ「16連射のつぶやき」Powered by Ameba

PCエンジンが発売されたのが、87年の10月30日に発売になりました。
その夏休みには、ファミコンで最後のキャラバンをヘクター’87でやっていたのですが、それまでファミコン高橋名人でやっていたので、キャラバンが終わった9月頭から、10月下旬まで媒体には出演しない様にしたのです。
 
だって、昨日までファミコンの高橋だったのが、今日からPCエンジンの高橋ってのは可笑しいですからね。PCエンジンは、ハドソンにとっても大事なゲーム機だったので、これは非常に重要な事だったのです。
 
一番困ったのは、コロコロコミックで展開していた「高橋名人物語」でした。
正式名称で「ファミコンランナー」と入っていたので、これを途中で止めなければいけなかったのです。
そのおかげで、単行本が6冊発売されたのですが、7巻目を発売するには話数が足りなかったので中途半端になってしまいました。

他にも、警察署の一日署長の依頼があったという話が、何故か「腕にバネが仕込んでいたのがバレて逮捕された」という噂に変わり、全国に流れたりもした。

普通に考えれば、そんなことで逮捕なんてされないとわかるものだが、子供の頃の自分には妙にリアリティのある話に聞こえ、愕然としたことを覚えている。その後、コロコロ等で全くの捏造である旨が伝えられたりしたが、とにかく、当時の子供にとって高橋名人の存在は絶大であった。

 

そんな時代に生まれたスターソルジャーであるが、個人的にはファミコンにおけるハドソンシューティングの最高傑作だと思っている。

ゲーム性は実質的な前作である「スターフォース」を発展させたものになっており、編隊を組んで襲ってくる敵を連射でなぎ倒し、浮遊大陸に敷き詰められた地上物もガシガシ破壊していくのが気持ちいい。

 

自機であるシーザーは、特定の地上物を破壊した時に出てくるカプセルを取ることにより、三段階にパワーアップする。最高までパワーアップすると、五方向に弾を発射することが可能になり、音楽も軽快なものに変わるのだ。これにより、敵及び地上物を破壊する爽快感が増している。

しかも、五方向攻撃が出来るようになると、自機の周囲に敵弾を防いでくれるバリアが付く。残念ながら敵との接触は防げないが、このバリアの存在によって、ただ進むことだけを目標にするのであれば、シューティングが苦手な人でもある程度楽しめるようになっている。ただし、連射パッドがあれば、の話だが。

ちなみに、この状態で被弾すると攻撃が三方向にしかできなくなる。そして再び五方向攻撃できるようになるためには、五発ほど被弾して一度バリアを外した後、再度パワーアップカプセルを取ることで五方向攻撃に戻すことができるが、非常に手間がかかる。当たり前のことではあるが、安定した攻撃を続けるためには、被弾は許されないのだ。

 

さらに、浮遊大陸のそこかしこに「トラップゾーン」という、地面の下に潜ることのできるエリアが設定されており、そこにいれば無敵状態になり死ぬことはない。スクロールスピードの関係上、トラップゾーンにいられる時間は数秒間程度であるが、これもシューティングが苦手な人に向けた措置だと思われる。

ただ、このトラップゾーン、スコアアタックをしている時は邪魔以外の何物でもない。なんといっても、トラップゾーン内にいる時は攻撃を喰らわない代わりに、自分も攻撃が出来ないのだ。ハドソンがなぜこの安全地帯的なエリアを、わざわざトラップゾーンと名づけたのか理由は不明だが、ハイスコアラーにとってはまさにトラップ以外の何物でもない。

 

スターフォースにあった数々の隠しボーナスのフィーチャーもいろいろな形で引き継がれている。

スターフォースでいうラリオス的なものは、顔型のラザロという敵に置き換わった。四方向からパーツが出てきて合体する前に倒すと8万点なのだが、これはまんまラリオスであり、このあたりにスーパースターフォースとして作られていた片鱗を垣間見ることが出来る。

他にもステージ終盤に現れる目玉型の地上物、デライラがある。これは左右に1つずつ現れて、それを二つ同時に倒さないとボーナスが貰えない。つまり、デライラボーナスを得るためには常に五方向攻撃できる状態をキープしなければならない。

大きく変わったのが、ステージ中に隠されたボーナスパネルの存在だ。スターフォースでは「最初から見えているボーナスパネルを撃ち漏らすと、ボーナスが減らされる」方式だったのに対し、スターソルジャーでは「ゼグ」という「見えないボーナスパネルを出現させる度にボーナスが加算されていく」方式に変更された。スターフォースと違って、予めステージの長さが決まっているスターソルジャーには、加算方式のボーナスのほうが向いているし、特定の場所に隠されているというゼグの特徴は、その場所を打ち込むためのパターンを構築していくという、戦略性の向上にも寄与している。

 

この時期、ハドソンファミコンサードパーティの中でも最強の部類に入るメーカーで、その技術力も素晴らしい物があった。

このスターソルジャーにもそのスキルは存分に発揮されていて、たとえば四の倍数のステージに登場するボスであるビッグスターブレイン(タイトル画面の背景にも使われている)は、画面の殆どを占拠するほどの大きさを誇り、最初にコロコロで写真を見た時は度肝を抜かれたものだ。

 

ファミコン参入が早かったハドソンは、任天堂サードパーティに課していた年間販売可能本数の制限(サードパーティファミコンで一年間に出せるタイトル数は、任天堂によって決められていた)も受けなかった。

信じられないことに、この高橋名人ブームが起きていた時代のハドソンは、二ヶ月に一本の割合でソフトをリリースしていたのだ。しかも、それが「スターソルジャー」だったり、「高橋名人の冒険島」だったり、「迷宮組曲」だったりするのである。今で言えば、UBIもビックリのAAAタイトル攻勢と言えるだろう。

 

この後、「ヘクター87」を経て、ハドソンはいよいよ念願だった新ハード「PCエンジン」をNECとの協業でリリースし、単なるサードパーティーの枠を超えた存在になっていく。

この頃は、まさかそんなハドソンが後に消滅の憂き目にあうことになろうとは、知る由もなかった。