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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

レトロゲーム回顧録その18 ドラゴンクエストII 悪霊の神々

ゲーム レビュー レトロゲーム ドラクエ

ドラゴンクエストII 悪霊の神々(以下ドラクエII)」は、割と早い時期に買ってもらえた。発売日と同時ではなかったが、1ヶ月も経っていなかった頃に買ってもらったと記憶している。

あまりに嬉しかったから誰かに自慢したかったが、近所に誰も自慢できる人がいなかったので、隣に住んでいた一つ年上のねーちゃんに「俺ドラクエII買ってもらったんだ!!」と自慢しに行った。が、効果は今ひとつのようだった。当たり前である。

ドラゴンクエストII

ドラゴンクエストII

 

 

前作「ドラゴンクエスト(以下ドラクエI)」が大ヒットを飛ばし、続編であるドラクエIIにも大きな期待がかけられていた。

まだ、のちのシリーズのような行列騒ぎや恐喝騒ぎは起きていなかったが、抱き合せ販売されるほどの人気ゲームには成長していた。自分の住んでいた町でも、最初の頃は抱き合せ販売されていたのだが、1ヶ月ほどすると単体でも売るようになっていたので、やっと親に買ってもらえたのである。

 

ドラクエIのヒットを受けて、ドラクエIIはより本格的なRPGとして制作された。その最たるものが「パーティプレイ」の導入だ。たった一人での孤独な戦いを強いられた前作から一転、ドラクエIIは主人公キャラが三人もいるのである。

しかも、一人目のローレシアの王子は、呪文が一切使えない脳筋ファイタータイプ。二人目のサマルトリアの王子は、ある程度の装備と呪文が使える器用貧乏バランスタイプ。三人目のムーンブルクの王女は、肉弾戦がからっきしな代わりに強力な攻撃・回復呪文が使えるいわゆる爆弾娘賢者タイプと、はっきりと個性が分かれている。

そして、裏技を使わない限り、自分で名前を付けられるのはローレシアの王子だけで、残りの二人は自動的に名前が決まっていた。ちなみに、小学生だった自分は当然自分の名前を付けたのだが、サマルトリアの王子は「すけさん」、ムーンブルクの王女は「あきな」だった。なんだか納得がいかないネーミングである。他の友だちは「クッキー」だとか「マリア」だったりするのに、なぜ自分は「すけさん」なのかと、意味もなく堀井雄二を恨んだものだ。

 

ちなみに、主人公が三人に変わったように、出現する敵もパーティを組んで複数現れるようになった。だが、ドラクエIではあった戦闘中の背景がなくなって、戦闘画面は真っ暗になってしまったのだ。ここだけは残念だった。今にして思えば、ファミコンのスペック上仕方のない事なのだが、前作で出来ていたことが続編でできなくなるというのは、小学生にとっては理解するのが難しい事だった。もっとも、ドラクエIIIに至ってはタイトル画面すら無くなってしまうことになるのだが。

 

ドラクエIが、日本におけるRPGチュートリアルだったように、ドラクエIIもパーティプレイのチュートリアルとなっている。

最初はローレシアの王子一人で旅にでて、気まぐれなサマルトリアの王子を探しまわって仲間にし、ハーゴンの呪いで姿を変えられてしまったムーンブルクの王女を助けて、やっと三人のパーティプレイが楽しめる。そこまでのバランスはかなり良好で、三人揃うとBGMも明るい雰囲気の曲に切り替わるという憎い演出もあり、このあたりのゲームデザインは流石としか言いようが無い。

 

だが、ドラクエIIを語る際に、どうしても避けて通れないのが、その後の難易度の高さだ。とくに、船を取って以降に突然自由度が高くなることにより、強敵がいるエリアに行けてしまえることや、なんといっても最終エリアであるロンダルキアへ続く洞窟からラスボスまでの道のりの厳しさは、シリーズの中でもダントツの厳しさであると言えよう。

そもそもロンダルキアへの洞窟には見えない落とし穴が沢山あり、しかも正しいコースを通らないと永遠に同じエリアをさまよい続ける無限ループのトラップもあり、敵もドラゴンやバーサーカーなど強力な相手が群れをなして出てくるので、初見で頂上まで辿り着くのは、ほぼ不可能なのではないかと思えるほどだ。


ドラクエ2 FC版プレイ動画 Part16 - YouTube

必死の思いでロンダルキア台地へたどり着くと、一面の銀世界に一瞬目を奪われるが、その後にエンカウントするザラキ連発ブリザードや、あろうことかメガンテを仕掛けてくるデビルロード、そしてイオナズンや炎の二連発攻撃を無慈悲に繰り出すアークデーモンなどの手によって、プレーヤーはあっという間に命を奪われるのだ。

 

じゃあレベルを上げて物理で殴るもっと楽に戦えるようにすればいいじゃないかという人もいるだろうが、FC版にはレベルキャップがあり、それそれローレシアの王子の最高レベルが50、サマルトリアの王子が45、ムーンブルクの王女が35までしかレベルアップしない。この状態のパーティでも全滅する時は全滅するのがロンダルキアなのだ。

この難易度について、Wikipediaには以下のように書いてある。

製作者の中村光一はテレビ番組でのクリエイターインタビューにおいて、ロンダルキアへの洞窟について「(迷路を抜ける古典的なテクニックである)壁を右手伝いで辿って行けば、穴に落ちずに抜けられるように作ってあるので、あんなに反響が多いとは思わなかった」とコメントしていた。さらに、終盤のテストプレイに十分な時間をかけられなかったせいで、「洞窟に挑む際は多分これくらいのレベルだろう」との想定で行われたバランスを読み誤り、高い難易度のまま確定してしまったことも明かしている。

たしかに、ドラクエIの発売が1986年5月、ドラクエIiはそのわずか8ヶ月後の1987年1月に発売されている。初めからそういう納期だったのかどうかはわからないが、マップの広さだけで前作の6倍に増えたボリュームを吟味するには、時間が足りなかったのかもしれない。これが堀井雄二の心の棘になったのかどうかは定かではないが、この後のシリーズでは発売延期が恒例行事となっていく。

 

それともうひとつ、やはりあの長い「ふっかつのじゅもん」は、ゲームの中の強敵並に手強かった。

当時の自分は、専用のノートに必ず二回以上聞いたふっかつのじゅもんをメモしていた。そうでもしないと、安心できないのである。最大52文字もの意味不明な文字の羅列を入力させられた挙句、「じゅもんがちがいます」と言われた時の絶望感たるや、筆舌に尽くしがたい。

だが、苦労の甲斐あって、レベル50まで育てたキャラのふっかつのじゅもんは30年近く経った今でも暗記している。2011年にWiiでリリースされた「ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III」(長い!)に収録されていたFC版のドラクエIIで、覚えていたふっかつのじゅもんを入力したら、ちゃんとロンダルキアの祠から始まるデータが表示された。

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とはいえ、バランス調整されたSFC版が収録されているため、あえてFC版をやろうという気はなかなか起きないのであった。

 

トラウマはノスタルジーより強し、なのだ。