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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

張本勲氏に限った話じゃないけど、「辛口御意見番」って本当に必要なの?

Jリーグ W杯 サッカー 雑記
張本氏がカズに引退勧告?

先日、日曜日にTBSで放送されている「サンデーモーニング」の人気コーナー(なの?)「週間御意見番」で、元野球選手の張本勲氏が、J2最年長ゴール記録を更新したカズに対し、引退勧告とも言えるコメントを発した。

www.sanspo.com

はじめに断っておくが、自分はサッカー以外のスポーツはそれほど詳しくないので、この方が現役時代にどのくらいの実績を挙げた選手だったのかは全く知らない。なので、「昔の名選手」程度の認識しかない事を申し上げておく。

 

今回のこの発言に関しては、素直に感想を述べさせてもらうと「よくわからないんなら無理して取り上げなくていいのに…」の一言に尽きる。

反論は色々あるのだが、張本氏にしてみれば、自分の専門外の分野について語っているわけなので、当然発言に間違いが含まれる可能性は高くなる。とくに「J2は野球で言えば2軍」の部分については、下記の村上アシシ氏の記事で詳しく言及されているが、完全に事実誤認である。

bylines.news.yahoo.co.jp

それに、これまでの張本氏のサッカーに対する発言を聞いていると、率直に言って「サッカーが嫌いなんだろうなぁ」と思える物が多い。例えば下記の記事の発言のように。

そしてCM明け、決勝トーナメントについてサッカー解説者・中西哲生氏が解説していた最中に、張本氏は「悪いけど、もうサッカーの話はいいんじゃないの?」と突然横やりを入れる。
(中略)
その後サッカーの話題として最後に、中西氏が「ブラジル-コロンビアなんですけど」「すごい試合になると思いますよ」とコメントするも、張本氏はノーコメント。司会の関口宏が「張さんは、日本がいないんだからもういいんじゃないかと?」と尋ねると、張本氏は「そうそう、もういいんじゃないの?しばらく忘れましょうよ」とサッカーの話題を締めくくった。

news.livedoor.com

表面上、建設的なことを言っているふりなどしないで、「俺はサッカーが嫌いなんだ」と素直に言ってしまえばいいんじゃなかろうか。どうせこの番組は炎上商法で話題を集めるのが得意なのだから。そして、願わくばもうサッカーの話題にはふれないでほしいと思う。

 

辛口を履き違えている人たち。

サッカー界で「辛口」といえば、まず思い浮かぶのがセルジオ越後氏だ。だが、彼もここ数年問題のある発言が多い。

たとえば、先日の日本対ウズベキスタン戦後、セルジオ氏は下記の記事のような発言をした。

zasshi.news.yahoo.co.jp

※Yahooニュースなので、掲載期限が来れば見られなくなる可能性有り。

重要な部分を引用すると

後半に相手の足が止まって日本の動きが良くなったように見えるけど、それは錯覚なんだ。国内の親善試合でよくあるように、相手の疲労と6人交代の恩恵が重なっただけ。チュニジア戦も同様の試合展開だったよね。

セルジオ氏が言いたいのは「日本が良かったんじゃなくて、ウズベキスタンが後半疲れて、さらに日本が6人選手交代したから、相対的に日本が良いように見えた」ということなのだろう。

だが、この理屈はどう考えてもおかしい。

まず、ウズベキスタンは日本と試合をする前に、韓国とも試合を行っている。移動の疲労や時差ボケ的なものは、かなり解消された状態で日本との試合に臨んでいたのだ。

さらに、6人交代できたのは両チーム共に同じ条件である。日本だけが6人交代できたのであれば、セルジオ氏のいう「錯覚」も成り立つのだが、両チーム共に同じルールでやっている以上、このトリック的な理論には無理が出てくるのだ。

そもそも、その程度のハンデで普通は5-1などという結果にはならない。両チームの出来にかなり差があるか、片方に相当やる気が無い時しかこんなスコアにはならないのだ。ハリルジャパンが、完全無欠の素晴らしい試合をしたとはいわないが、セルジオ氏のいうような「錯覚」で勝ったわけではない。

今回の一件だけではなく、セルジオ氏のここ数年の発言は「まず辛口ありき」で始まっていることが多い。無理やりネガティブな面を穿りだしてきて批判するのが、自分の使命だと思っているフシもある。

 

辛口も結構だが、リスペクトはもっと大事。

冒頭の張本氏の発言で最も問題なのは、カズという現役でプレーしている選手へのリスペクトが微塵も感じられないことだ。

勿論、カズという存在がアンタッチャブルになりつつあるのは、後々問題になってくるかもしれない。

だが、今シーズンのカズは、昨シーズンまでとは違ってかなり動けており、新しく就任したミロシュ・ルス監督の信頼も得ており、十分スターティングメンバーに名を連ねるだけのクオリティを見せている。単に「客寄せパンダ」的な起用をされているわけではないのだ。まあ、そんな事を張本氏が知っているわけがないのだが…

 

同様に、セルジオ氏も、日本代表がホームに弱いチームを迎えて試合をすると「こんな相手では試合をする意味が無い」などと頻繁に発言するが、それも相手の国に対するリスペクトに欠けていると言わざるを得ない。

代表チーム同士の国際試合を行うことの出来る「インターナショナルマッチデー」は限られている。そこで日本に強豪チームを呼ぶというのは、思っているよりかなり大変な作業だ。まず欧州の一流チームは来てくれないし、南米でもアルゼンチンやウルグアイはお金次第といったところだが、ブラジルは滅多に呼べない。

そんな中、来てくれたチームに対して「お前らごときと試合をしても強化にならない」などとは、自分は口が裂けても言えない。だが、セルジオ氏は公共のメディアでそういう発言をしてしまっているのだ。これをリスペクトに欠けると言わずしてなんと言おうか。

 

JFAの仕事は何か。

日本サッカー協会(以下JFA)のマッチメイク能力にも問題はあるのだが、日本に強豪チームを呼べない最大の要因は、地理的な要因なのだ。無尽蔵のお金があれば別だが。

だったら、アウェイで試合をしまくればいいというかもしれない。だが、アウェイで試合をするのにもお金はかかる。そのお金はどこが出すというのだろうか?

ホームで試合をある程度こなしてお金を稼がなければ、アウェイに出て行くお金もなくなってしまうのだ。「日本はホームでぬるい試合ばかりやっている」という人々は、そういった面まで考慮して発言しているのだろうか?重要なのはバランスである。なんのために、ここ最近日本が欧州遠征をしていると思っているのだろうか。

それと、多くの人が勘違いしていると思うのだが、JFAの仕事はサッカー日本代表の強化だけではない。U-15から始まる各年代代表や、なでしこもあればフットサルもあるし、ビーチサッカーだってJFAの管轄なのだ。これら全ての強化、そして普及に努めるのがJFAの最大の仕事であって、フル代表の成績はその副次的な産物でしか無い。もっとも注目されるのがそこであるのは間違いないが、それが全てではないのだ。

 

真に「辛口」を名乗るのであれば…

サッカーが門外漢である張本氏にそこまで考えて発言しろとは言わない。だが、少なくともファルカンジャパンの際に日本代表のスタッフ入りをしたことのあるセルジオ氏ならば、そのくらいのことは考慮してほしいと思う。

セルジオ氏は自ら「辛口評論家」を名乗っているが、そうなのであればもっとサッカーを見て欲しい。特にJリーグを。

何が言いたいかというと、下記のブラジルW杯前のセルジオ氏のコラムでは以下のように言っているのだが…

所属する川崎では大久保がワントップを務め、その後ろの2列目に右から小林悠、中村憲、レナトの3人が並ぶことが多い。それが岡崎、本田、香川に代わるだけ。大久保は裏へ抜け出す動きに優れているし、本田や香川との相性も悪くないと思う。

wpb.shueisha.co.jp

残念ながら2014シーズン、大久保が得点を量産していたまさにこの時期には、川崎フロンターレは大久保と小林悠の2トップを展開していた。1トップなどでは無かったのである。つまり、セルジオ氏はJリーグをまともに見ていない可能性が高いのだ。

本当に「辛口」を名乗るのであれば、そのジャンルに精通していなければならない。当たり前である。知りもしない事に対して批判することは出来ないからだ。もしそんなことをしようものなら、冒頭の張本氏のように炎上してしまうだけなのだから(サンモニはそれが狙いなのかもしれないけど)。

「御意見番」と名の付く人物の発言ならば、よもや間違った事は言っていないだろうと考えるのが世の常である。ましてや、自ら「サッカー界の御意見番」を名乗るのであれば、せめてJリーグだけでも見てほしいと、心から願わずにいられない。