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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

三浦知良を突き動かす、KAZUという生き方。

Jリーグ最年長ゴール記録更新!

カズこと三浦知良

4月5日のジュビロ磐田戦で48歳1カ月10日のJ最年長ゴールを決め、その後「サンデーモーニング」の「週間御意見番」というコーナーで、元野球選手の張本勲氏に「もうお辞めなさい」などと引退勧告され、物議を醸した。

だが、カズはそんな意見に真摯に耳を傾け、

「もっと活躍しろと言われているんだと。引退しなくていいと言わせてみろという思いで(張本氏が)言ってくれたと思ってやります」と発奮材料にすることを誓った。

www.daily.co.jp

などと、オトナの対応を見せた。にわかには信じられない紳士的な対応である。

その数日前の11日のロアッソ熊本戦では、一度はカズのゴールとされた得点が、触っていないということでオウンゴールに訂正されるということもあった。カズの2試合連続ゴール未遂ということで、Jリーグの公式Twitterですら勘違いして配信してしまう程、「カズのゴール」というものはエキサイティングな出来事なのだ。

※上記ツイートは誤報です。

それを何一つわかっていない、しかも直接会ったことすら無い元野球選手に対して、カズの態度はあまりにも立派過ぎるとしかいいようがない。

しかし、しかしである。そこで終わらないのがカズという男なのだ。

奇しくも4月19日放送の「サンデーモーニング」で、張本氏がカズの立派な態度に(おそらくは仕方なく)あっぱれ!を出した、まさにその日のV・ファーレン長崎戦で、カズは再びゴールをこじ開けてみせた。

www.youtube.com

www3.nhk.or.jp

これが、これこそが、まさにカズがスーパースターたる所以なのだ。

 

カズを見た思い出。

1998年3月。日本代表が、フランスW杯の初出場を控えた年に行われた「ダイナスティカップ」という大会があった。この大会は、個人的には思い入れがあって、生でサッカーの試合を見た初めての大会だったのだ。

参加国は日本、韓国、中国、香港。横浜国際総合競技場(現日産スタジアム)が完成し、そのこけら落としも兼ねていた大会だった。自分は韓国戦を見たかったのだが、あっという間にチケットが完売したため、なんとか取れた日本対香港の試合を見に行った。 

だが、この試合、理由は分からないが、香港は「香港リーグ選抜」だった。香港は1954年にはFIFAへ加盟しているため、A代表が存在しないわけではない。おそらくは、同じ大会に中国が参加していたので、香港は代表チームとして参加することが出来なかったのではないかと思われる。 

初めてのサッカー生観戦。それも日本代表の試合ということで、とても興奮していたのだが、この試合カズは先発ではなかった。だが、一緒に見に行った友達を含めて、それを残念がった記憶はじつは無い。「仕方ないよね」とみんな思っていたのだ。それにはある理由があった。

 

カズ不要論

この時期、日本サッカーには「カズ不要論」が浮上していた。

前年に行われたフランスW杯アジア最終予選で、初戦のウズベキスタン戦こそ4得点と大爆発し、アジアサッカー連盟の広報誌をして「KING KAZU」と言わしめたカズだったが、その後は沈黙。結局岡野雅行Vゴールで幕を閉じる第三代表決定戦まで含めて、カズのゴールは生まれなかった。

原因は、最終予選のホームでの韓国戦で負った、尾てい骨の負傷によるコンディション不良だったのだが、カズはその事を誰にも言わなかった。だが、あれだけゴールを決めていたエースストライカーにゴールが生まれなくなると、世間の風当たりは厳しかった。言い訳をしないのは、カズらしいといえばカズらしいのだが、負傷したのなら素直に言うべきだったと、今は思う。

その時期は、ちょうど呂比須ワグナー帰化し、城彰二が成長し、そしてなによりも日本の司令塔として中田英寿が頭角を現していた時期である。カズがいなくても日本は大丈夫。むしろ、点が取れないカズよりも、中山雅史や、将来のことを考えて城を起用すべき、というような風潮が世間を支配していた。

だが、香港選抜戦の後半、カズがタッチラインでアップを始めると、スタジアムの雰囲気が変わった。誰からともなく「カァーズゥー、カァーズゥー、カーズ!カーズ!カーズ!」と、自然発生的にカズのチャントが鳴り響いた。それを聞いて「なんだ、みんなカズが好きなんじゃんw」と思ったのを覚えている。

その試合、カズは76分から途中出場し、これといった活躍を見せること無く終わった。日本は中田英寿の2点、増田忠俊名波浩呂比須ワグナーのゴールで5-1と大勝した。

それから数カ月後、岡田武史監督はフランスW杯のメンバーからカズを外した。

 

KAZUという生き方。

48歳を迎えたカズは、いま「KAZU」という一つの偶像を演じていると言ってもいいだろう。

  • なにがあっても諦めない。
  • たとえ身体がぼろぼろになろうとも現役にこだわる。
  • いくつになっても、いつ代表に呼ばれてもいいように準備している。

普段からカズが公言しているこれらの事は、カズがKAZUであるために必要なことであり、カズ自身もそれを演じることで、日々の糧にしているのではないか。

普通なら、とっくに引退をして指導者への道を歩んでいる年齢である。たとえば、先日ボルシア・ドルトムントの監督を今シーズン限りで退くことを決めた、ユルゲン・クロップはカズと同い年である。

この年齢でカズが現役の選手として、それも、先発を張るほどのコンディションを保つのは、並大抵の努力では不可能な芸当だろう。それもこれも、「KAZUという生き方」が、48歳のカズを突き動かしているからに他ならないと、自分は思う。

 

だからこそ、カズは格好いいのだ。