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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

もし「真のビッグクラブ」が誕生したら、果たしてJリーグはエンターテイメントとして面白くなるのか問題。

Jリーグ サッカー
エールディビジブンデスの優勝が決定、セリエA、プレミアも秒読み段階。

欧州各国で優勝チームが決まり始めている。

www.soccer-king.jp

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優勝しているのは、当然ながら各国のビッグクラブだ。

佳境に入ってきているとはいえ、まだ4月である。数試合を残した段階で優勝が決まるという事は、勝ち点の差がこの時点で10ポイント以上なければ不可能だ。つまり、ぶっちぎりで突っ走っていたということになる。

実際、久しぶりのエールディビジ優勝を果たしたPSVは、2位のアヤックスに14ポイント、ブンデスリーガバイエルン・ミュンヘンも、2位のヴォルフスブルクに15ポイントの大差を付けての優勝である。

セリエAではユヴェントスが2位のローマに14ポイント、プレミアリーグチェルシーが10ポイントの差を2位グループにつけ、優勝目前となっている。リーガエスパニューラも、バルサとマドリーの2強からやや離されたアトレチコには、優勝の可能性は少ないと言っていいだろう。

もはや、欧州のトップリーグで優勝争いが混沌としているのはフランスのリーグ・アンのみと言っていいだろう。

欧州リーグでは、ビッグクラブが優勝するのがスタンダートである。それも、バイエルン・ミュンヘンのクラスの「真のビッグクラブ」になると、2位に大差をつけて優勝する事も珍しい事ではない。

 

もし日本に真の「ビッグクラブ」が生まれたら…

以前に下記エントリで、どうすればJリーグにビッグクラブが生まれるのかという事を考察したことがあった。

potatostudio.hatenablog.com

 

Jリーグも、今シーズンからJ1では2ステージ制を導入し、いままでJリーグを見なかった人たちを、チャンピオンシップを開催することで惹きつけようと考えている。その是非はともかく、よく「Jリーグにビッグクラブが生まれれば面白くなる」という意見をよく見かけるのだが、本当にそうなんだろうか?

 

たとえば、仮にバイエルン・ミュンヘン級の強さを持つ「真のビッグクラブ」が、日本に存在したとしよう。人気はその「真のビッグクラブ」に集中し、代表選手もそのチームから何人も排出されている…という思考実験だ。

今シーズンのレギュレーションは下記の図のようになっているが、

f:id:potatostudio:20150303183928p:plain

当然1stステージも2ndステージも、その「真のビッグクラブ」が大差で優勝するものとする。すると、チャンピオンシップは、ステージ優勝チーム関連の試合はなくなり、年間勝ち点2位、3位の勝者と、1位の「真のビッグクラブ」で年間優勝決定戦を行うことになる。

だが、「真のビッグクラブ」はその2チームに大差をつけて年間1位になっているチームだ。一発勝負とはいえ、普通に考えたら「真のビッグクラブ」が勝つ可能性が極めて高い。

これは、Jリーグが考えている「優勝決定の山場を増やす」「優勝できる可能性のあるチームを増やす」という、「チャンピオンシップ導入の狙い」とはかけ離れた状況といえる。どうせかなりの確率で、その「真のビッグクラブ」が勝つのだから。

 

「真のビッグクラブ」頼みの興行。

欧州各国でビッグクラブがビッグクラブ足りえるのは、その歴史上常に強かったからであり、それ故に人とカネがそのビッグクラブに集中してきたからだ。

大抵の欧州のリーグは、

  1. 優勝を狙うビッグクラブ(2から4チーム程度)
  2. CLやELなどの欧州カップ戦への出場を狙う中位陣
  3. 降格争いに巻き込まれながら降格しない下位陣
  4. 下部リーグとの行き来を繰り返すエレベータークラブ

といった具合に分けられる。

そして、「真のビッグクラブ」は、1のビッグクラブの中でも突出した存在だ。3の下位陣や4のエレベータークラブは、この「真のビッグクラブ」と対戦するホームゲームが非常に重要である。なにしろ、自分の街にスター軍団がやってくるのだ。スタジアムは満員に出来るし、チケット価格を自由に設定できる国では、その試合だけチケット代が高いということも起こる。

日本に「真のビッグクラブ」が存在した場合も、似たようなことが起きるだろう。というより、Jリーグ黎明期に既に同じことが起きている。Jリーグ開幕直後は、基本的にヴェルティ川崎絡みの試合のTV放送が本当に多かった。あの時期のヴェルディ川崎は、確かに日本のビッグクラブだったと言えるだろう。

あの頃は、今のブンデスリーガのように、どの試合も満員だったが、いまのJリーグは違う。スタジアムを満員にするためには、現役代表選手がいるとかの「話題性」が必要だ。「真のビッグクラブ」が存在すれば、それだけで「話題性」にはなるだろう。

 

「真のビッグクラブ」は、一般層を惹きつけるのか?

ここまで考えてきて思うのは、「人気」とか「話題性」というのは、あくまで「Jリーグを普段見ている人の中で」という条件付きだということだ。

たとえば、今Jリーグで最も話題性のある選手はおそらくFC東京の武藤だろう。

チェルシーからのオファーが判明した、4月8日以降に開催されたFC東京の試合の観客数を調べてみると

4月12日 湘南ベルマーレ   Away 14581人(最大収容人数15100人)

4月18日 サンフレッチェ広島 Home 24369人(最大収容人数50100人)

4月25日 モンテディオ山形  Away 11524人(最大収容人数21292人)

 と、オファー判明直後の湘南ベルマーレ戦こそ満席に近い数字を叩きだしているが、その後は割と普通である。つまり、一般層がこぞってスタジアムに詰めかけるというような事は起きていないと言える。「チェルシーに行くかもしれない選手がいる」程度の話題では、それが常にメディアで報じられてない限り、一般層は興味を示さないのだ。

TVを始めとするマスメディアの効果は確かに絶大だ。だが、それは結局は一過性のものであることも事実である。

Jリーグに、今後「真のビッグクラブ」が生まれたとして、例えば何年も連続でチャンピオンシップ優勝を成し遂げたとしよう。だが、それで本当に「普段Jリーグに興味を示さない層」が振り向いてくれるだろうか?

個人的には、そんな簡単な話にははならないと思う。むしろ、いつもその「真のビッグクラブ」が勝っていたのでは、エンターテイメントとしての面白さがスポイルされてしまうのではないか。

もし、エンターテイメント性を犠牲にしてまで、「真のビッグクラブ」の誕生を望むのであれば、やはり毎年ACLで優勝争いを繰り広げるような、中国スーパーリーグ広州恒大クラスのチームでなければ、一般層は振り向いてくれないだろう。

そう、Jリーグに必要な「真のビッグクラブ」とは、アジアで無敵の強さと、豪華な選手層を保持できるような「モンスタークラブ」なのだと、個人的には思う。

で、誰がそんなお金出すの?