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レトロゲーム回顧録その23 パロディウスだ!〜神話からお笑いへ〜

超絶難度の「グラディウスIII 〜伝説から神話へ〜(以下グラディウスIII)」がアーケード(AC)にリリースされたその数ヶ月後の1990年4月に、まるで毛色の違うゲームが、同じコナミによってリリースされた。

それこそが「パロディウスだ!〜神話からお笑いへ〜(以下パロディウス)」である。

極上パロディウスだ! DELUXE PACK

極上パロディウスだ! DELUXE PACK

 

元々はMSXの知る人ぞ知るタイトルであったが、このACへの進出によって、このシリーズは一気に知名度を高めることとなった。


[AC]パロディウスだ! Parodius Da! - YouTube

 

それまでも、コミカルなキャラクターが主人公のシューティングゲーム(以下STG)は存在していた。だが、パロディウスはその名の通り「パロディ」がメインのフィーチャーになっている。それも、自社だけでなく、他社のゲームですら臆面もなくパクってパロっているのだ。

例えば、ステージ5は大きなモアイの顔のついた巨大戦艦と戦うステージなのだが、どう考えてもアイレムの「R-TYPE」ステージ3のパクリパロディである。ご丁寧に、冒頭の空中戦で出てくるザコ敵もR-TYPE風の雑魚に変更されているこだわりぶりだ。


Parodius Da! - Stage 5 "Moai BattleShip" (SNes ..

※上記動画はSFC版「パロディウスだ!」のもの。

 


R-Type (HD) - Arcade Version (1987) - Stage 3 ...

 

だからといって、決して適当に作られているわけではなく、むしろSTGとしての完成度が極めて高いのが、このゲームを名作たらしめている点だ。

パロディウスの完成度の高さは、1990年の第4回ゲーメスト大賞(大賞はファイナルファイト)において、本家グラディウスIIIを3位に抑えて、パロディウスが2位に選出されているという事実が、ある意味証明しているといえるだろう。

 

ゲームシステム的には、グラディウスIIを踏襲している。

ゲーム開始時にパワーアップタイプの違う4つの自機からどれでプレイするのかを選ぶのだが…

  1. グラディウスの自機「ビックバイパー」 本作ではなぜかたいやき屋の親父。
  2. パロディウスの主人公、タコ。またの名を「Mr.パロディウス
  3. ツインビーの自機「ツインビー」 でも、セレクト画面ではウインビーみたいなピンク色。
  4. けっきょく南極大冒険の主人公の子供「ペン太郎」

と、どれをとってもアクの強いキャラクターになっている。

ビックバイパーとタコはかなりバランスが取れた装備になっているので、初めてやる場合はこの二機のどちらかを選ぶといいだろう。

自分はいつもタコを選んでいた。バリアがタコツボなので、前方向からの攻撃しか防いでくれないのだが、それでも2Wayミサイルとテイルガンで全方向をカバーできるので、あらゆるステージに臨機応変に対応することが可能だったからだ。

 

キャラクターを選んだ後にパワーアップの方式を選択できるのだが、ここでオートを選べば、必要なだけのカプセルを取得した際に自動でパワーアップしてくれる。一見初心者向けの配慮に思えるこの機能だが、何を隠そうこれは罠である。

実は、このゲームはリアルタイムでゲームバランス(「ランク」という)を調整するので、オートで好き放題パワーアップしてしまうと、恐ろしくランクが跳ね上がってしまう。本気で先に進みたければ、マニュアルでパワーアップし、必要以上に装備を充実させないという逆転の発想が必要になってくるのだ。

 

さらに、雑魚の編隊を倒すと、たまに黄色いベルが出現するのだが、このベルは弾を打ち込むと色が変わり、そのベルの色によって特殊なパワーを使用することが出来る。

例えば、青いベルを取れば画面全体にダメージを与えるボムが炸裂する。

白いベルなら自機がメガホンを持ち「貴方は神を信じますか?」とか「お前はもう死んでいる」などという当たり判定のある大きな台詞が表示される。

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硬い敵に打ち込む時などに非常に便利なのだが、「チュッ♡」などの短い台詞だった場合は敵に接近しなければならないので少々焦る。

緑色のベルを取れば自機が巨大化し無敵状態になるので、難所で緑色のベルを出せれば攻略がかなり楽になるだろう。

黄色いベルは何の役にも立たないのかといえばそんなことはなく、黄色い状態でずっと取り続ければ、取るたびに500点から得点が上がっていき、最高で1万点を獲得できる。そこから取り逃しさえしなければ、黄色いベルを取るたびに1万点が入るオイシイ状態になるのだ。

つまり、このベルパワーシステムは元ネタのツインビーと同様スコア稼ぎ的にも熱いのだ。だが、そこに元ネタとは違う要素を盛り込むことによって、ゲームに深みと一発逆転の爽快感を加える事が出来た。

このように、ただのパロディに終わらず、うまく他のゲームの要素を取り入れているのが、パロディウスの素晴らしさだといえるだろう。

 

ステージ構成はかなり考えられていて、ステージ1は青い空と海を背景にした見た目さわやかなステージ。

同時期にリリースされたグラディウスIIIの1面と比べると随分マイルドな難易度になっていて、キャラクターの可愛さに惹かれて100円を入れたSTG初心者でも、たいていなんとかなるようになっている。

3面くらいになってくると、覚えゲーの様相を呈してくるので、あまりSTGが得意でない人はここら辺りがひとつの壁になってくるだろうと思われる。

だが、前述のリアルタイムランク調整機能があるおかげで、一度ミスをするとガクッとランクが下がり、敵の攻撃が明らかに弱々しくなるので、わりと復活できそうな気がしてくるのだ。

 

おそらくは、ここがグラディウスIIIよりも好評を博した要因の一つであると思われる。

もちろん、コミカルなキャラクターや、有名なクラシック音楽をアレンジした矩形波倶楽部の名曲の数々なども、このゲームの評価を上げている要素であるのだが、やはりお客がゲーセンで100円を入れてくれるかどうかは、「自分でも楽しめるかどうか」という見極めである。それは、デモ画面だったり、他人のプレイだったりする。

正直いって、グラディウスIIIの2面などは、他人がやっているのを見るだけで「もう無理」と思ってしまうような威圧感があった。 

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パロディウスの1面

 

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グラディウスIIIの2面 

 

グラディウスシリーズが1989年のIIIから1999年のIVのリリースまで、実に10年という長い時間がかかっているのに対し、パロディウスシリーズはここから矢継ぎ早に移植作や続編をリリースする。

この時期、グラディウスが一向にリリースされずにやきもきしていたコナミSTGファンの飢えを満たしたのは、間違いなくパロディウスシリーズであった。

自分も、ノーミスは無理としても、なんとかゲーセンでも一周クリアくらいは出来るくらいだったので、超絶シューターでなければクリアできないゲームというわけではない。

ただし、このゲームは二周エンドのゲームなので、二周目ではおびただしい数の撃ち返し弾に襲われることになる。とてもじゃないが、自分の腕では二周目は歯が立たなかった。

ちなみに、STGの難易度をランク付けするサイトでは、このパロディウスは最高ランクの10に格付けされている。素人には(二周目は)お勧めできないというわけだ。

 

ちなみに、このゲームのサントラも高校生の頃に購入したのだが、最後のトラックが効果音集になっている。よくTV番組で流される「ワァ〜ォ」という女性の声だとかは、この効果音集が元ネタなのだ。


効果音 ワーオ!! - YouTube

パロディウスだ! 神話からお笑いへ

パロディウスだ! 神話からお笑いへ

 

 

なぜか上記のiTunesの配信版では、この効果音集は収録されていないようだが、もしCDを手に入れる機会があれば一度聞いてみて欲しい。現在でもTVのバラエティ番組で使われている効果音が、これでもかと詰め込まれている。

そういう意味でも、この「パロディウスだ!」は、ある意味偉大な作品と言えるだろう。