Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

レトロゲーム回顧録その25 ウィザードリィ

1981年、コーネル大学の学生だったロバート・ウッドヘッドとアンドリュー・グリーンバーグの二人によって作られたコンピュータRPGの元祖が「ウィザードリィ」だ。

元々はAppleIIで動くパソコンゲームだった。

www.youtube.com

 

それをファミコン(以下FC)に移植したのは、「ゼビウス」で有名な遠藤雅伸率いる「ゲームスタジオ」だった。音楽は羽田健太郎、モンスターデザイン及びイメージイラストは末弥純と、スタッフも豪華だった。

ウィザードリィ

ウィザードリィ

 

 

ドラゴンクエスト(以下ドラクエ)」が日本でデビューし、RPGがどういうものか十分に受け入れられた状態での移植だったので、「あのドラクエの元ネタ」的な紹介もされた。

自分も、「コンピュータRPGの元祖」というものが、一体どんなものだったのか非常に興味があり、友達が買ったので、しばらくしてから貸してもらった。だが、自分が思っていたようなゲームとは随分違っていたので驚いた覚えがある。

 

www.youtube.com

まず、ドラクエと違って画面が3Dダンジョンだったし、街などはテキストで表示されているだけで、非常に簡素だった。小学生の自分にとってはなんだか手抜きのように見えた。

キャラクターも、「訓練場」で作成しなければ操作すら出来ない。今では当たり前だが、キャラクターの名前、種族を決め、与えられたスキルポイントを割り振ってキャラクターメイキングをするという行為自体が、とても高いハードルに見えたし、性格などという、子供心にはなんの為に必要なのかわからないパラメータすら決めなければならなかった。しかも、善と悪のキャラクターは一緒のパーティを組めない(裏ワザで可能)というペナルティすらあった。

 

だが、その最初の高いハードルを乗り越え、冒険をするための一連の流れを覚えると、自分はすっかりウィザードリィの世界にハマっていた。攻略本片手にダンジョンにひたすら潜る日々を過ごしていたのだ。

ウィザードリィのすべて―ファミコン版

ウィザードリィのすべて―ファミコン版

 

このウィザードリィは、今で言えば「ハック&スラッシュ」というジャンルに分類されるRPGだ。

一応、ゲームの目的としては「狂王トレボーの命により、魔導師ワードナに奪われた護符を奪還しに行く」というものがあるのだが、大体レベル13以上になれば、この目的は達成可能である。

だが、このウィザードリィはそのエンディングを見るために楽しむゲームというよりは、ダンジョンに潜って敵を倒し、より強力なアイテムを獲得してさらに強い敵と戦う…というようなサイクルを繰り返していくゲームなのだ。こういうタイプのゲームを「ハック&スラッシュ」と呼ぶのである。

 

ダンジョン内では、敵とランダムエンカウントするのだが、「玄室」と呼ばれる部屋では必ず敵と遭遇するようになっており、玄室の敵は宝箱を守っている。大抵の場合、宝箱には罠が仕掛けてあり、これを識別、解除するためにはパーティに盗賊か忍者が必要なのだ。

見事に罠を解除できても、「?けん」などと書かれたアイテムしか手に入らない。これは職業の一つであるビショップか、街にあるボルタック商店に識別してもらわなければならない。ボルタック商店の鑑定料はそのアイテムの半額であり、そのアイテムの売却額も同じ金額であるため、ボルタック商店で鑑定してもらうのはあまり懸命な手段とはいえない。さすがボッタクル商店。

自分もそうだったが、適当なレベルまで育てたビショップを常に酒場に待機させておいて、鑑定したらすぐ酒場に戻す…というやり方をしていた人が多いはずだ。

 

とまあ、小学生ながらウィザードリィにどっぷりハマったわけではあるが、自分としてはウィザードリィの一番の思い出として残っているのは「恐怖」だった。といっても、別にシナリオがホラーだったりするわけではなく、恐怖を感じたのはその「ゲームとしてのシビアさ」だ。

まず、このゲームでは「死」が他のRPGよりずっと重い。なんといっても、100%確実に復活させる方法が無いのだ。

僧侶が死者を復活させる魔法を覚えるのだが、一定確率で失敗することがある。そうなると、「*おおっと*」などという間の抜けた台詞とともに「灰になった」という状態になる。そこからもう一度蘇生に失敗すると「失われた」状態になり、もう二度と復活することはない。その後に待っているのは埋葬である。

街にある「カント寺院」でも蘇生ができるのだが、結局失敗する可能性があることに変わりはなく、ウィザードリィにおける「死」はドラクエ等と比べて相当なリスクがある。

そのリスクを軽減させる方法はただひとつ、「リセット」だ。

このゲームはこの時期のFCゲームにしては珍しくオートセーブ機能を採用している。つまり、街やメニュー画面(キャンプ)での行動時、戦闘終了時などに逐次セーブされてしまう。なにか間違いを犯したり、戦闘で死者が出てしまってもそこでセーブされてしまうのである。

なので、大概のウィザードリィのプレーヤーは、そのセーブのタイミングを熟知していて、例えば宝箱の罠の解除を失敗して、テレポーターで石の中に飛ばされてしまっても、即座にリセットボタンを押すスキルを身につけている。リセットしても石の中にいる状況は変わらないのだが、そこからマロールなどのワープできる魔法で冷静に脱出するのだ。

 

というわけで、常に死と隣り合わせの状況で、リセットボタンを押すタイミングを見図らないながら、暗いダンジョンを探索をするシビアさに魅了された小学生時代の自分は、人生リセットボタンでいくらでもやり直しができることを学んだのだった(違う)。

広告を非表示にする