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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

「うどん限界集落」に住む、丸亀製麺に頼らざるを得ない「うどん弱者」の気持ち。

食レポ
うどん限界集落。

先日、丸亀製麺で冷かけうどんが始まったというので、早速食べに行ってきた。

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本物のうどん通に言わせれば、丸亀製麺の冷かけうどんなんて邪道なんだろうけど、自分はこのメニューが大好きである。夏の間というか、冷かけうどんが提供されている間はずっとこれを食べているくらいだ。

黄金色の冷たいだしに、角の立ったうどん。讃岐風の煮干しの効いた出汁ではなく、どちらかと言うと(たぶん)カツオ系で関西風の優しい味わい。パンチはないが、万人向けに仕上げられた、とても美味しい出汁だと個人的には思っている。化学調味料の味が気になって仕方ない人にはお勧めできないが…

以前に、丸亀製麺はその出自から、香川県民には結構嫌われているという話を聞いたので、通にとっては冷かけ云々以前に、丸亀製麺という時点で邪道なんだろう。

だが、自分は丸亀製麺に頼るしかない。なぜなら、自分の住んでいる町は、讃岐風のうどんを食べたかったら丸亀製麺しか選択肢がないという、「うどん限界集落」だからだ。

 

ラーメンどころだからこその、うどんの立場の弱さ。

なぜそうなのかというと、自分の住んでいる町は、近隣に全国有数のラーメンどころを抱えている為だ。おかげで、市内のお店のかなりの数がラーメン屋である。何件くらいあるのかはデータがないのでわからないが、感覚的にはラーメン>>>そば>>その他(うどんを含む)と言った具合なのだ。

しかも、そのラーメンも結構閉鎖的で、地元の味でなければなかなかやっていけない。ラーメンどころであるという自負もあるのだろうが、とにかく地元の味、そして中太縮れ麺でなければ、かなりの割合で受け入れられない。

今までも、本格とんこつラーメンのお店や東京風のラーメンを出すお店が出来てみたりしたのだが、殆どがあっという間に潰れてしまった。食べに行った人の感想を聞くと、大抵が「豚骨は臭くて食えない」とか、「麺が細くて食べた気がしない」と言っていた。

以前に讃岐うどんのお店が出来たこともあった。100円うどんをウリにしていた頃の「さぬき小町うどん」だ。

だが、やはり1年と少しの間営業をしただけで潰れてしまった。あそこはおそらくセントラルキッチンか何かで作ったうどんを出していたんだと思うが、それでもその頃の自分にとって、讃岐風のうどんが食べられるということで、あの店は貴重だったのだ。

 

うどんを自ら打っていた頃。そしてうどん不足。

実は、自分は18年ほど前に東京で働いていた頃、外食産業に従事していたのだが、そこでうどん打ちをやったこともあった。

丸亀製麺と同じで、生地(麺体と呼ばれていた)は機械でこねるのだが、うどんを伸ばすところは麺棒を使って自分の手で伸ばしていた。その光景は、透明なブースの中で行われ、お客さんも見ることが出来る。いわゆる、実演手打うどんというやつである。

だから、うどんはほぼ毎日、打ちたて茹でたてのものを食べていた。自分は麺類は大好きなので、それでも全然飽きなかった。

自分で打って、自分が食べるときに茹でたてのうどんを茹でて、好き勝手食べていた生活から一転、地元の我が町に帰ってきた途端に、そんなうどんを食べる手段が失われてしまったのだ。ありていにいえば、「うどん不足」に陥ったのである。

そんな中、ある意味我が町がラーメンどころであるという逆風の中オープンしたさぬき小町うどんは、自分にとって一服の清涼剤でもあった。だが、それも僅かな期間で潰れてしまったのだ。

正直、丸亀製麺が出来た時も、また同じことが繰り返されるのではないかと不安だった。常にうどん不足に陥っていた自分は、足繁く丸亀製麺に通った。だが、どうやらここは我が町にも受け入れられたようで、ピークタイムには駐車場が満杯になっていることも珍しくない。

そういう意味では、今の自分は讃岐うどんを食べたかったら丸亀製麺に頼るしかない、「うどん弱者」であるといえる。

自分がいままで食べたことのあるものは、自分の打ったうどん、さぬき小町うどんのうどん、はなまるうどんのうどんなど、あくまで「讃岐風」であって、「本物の讃岐うどん」ではない。

だから、そんな自分は、たとえ自分で打っていたとしても、うどんの事をドヤ顔で語る資格はないと思っている。なぜなら、讃岐うどんの本場である香川県に行ったこともなければ、本場の人の作った「本物の讃岐うどん」を食べたこともないからだ。

 

いつかうどん強者になりたい。

自分の小さな夢というか、願望の一つとして、いつか香川県に行って本場のうどんを堪能してみたいというものがある。実際にうどんを打っていた人間として、本物の讃岐うどんとはどういうものなのかを味わってみたいのだ。

ああ、テレビのリポーターがやっているように、香川の讃岐うどんの小さなお店を食べ歩きしてみたい。

茹でたてのうどんに生醤油をぶっかけて、卵黄をポトリと落としてズルズル食べてみたい。

その時こそ、やっと胸を張って、自分はうどん強者なのだと言えるだろう。 

それまでは、このうどん限界集落で、丸亀製麺に頼りながらうどん弱者として生きていくしかないのだ。

とりあえず、また冷かけうどん食べに行こうっと。ネギだくで。