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自分用備忘録的な何か。

「ビール」なのか「ビア」なのか、どっちなんだ問題。

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ビールなのか? ビアなのか?

普段、お酒を飲まない自分でも、昔から常々気になっていた事がある。それは、ビールの呼称問題だ。

たとえば、飲み物単体では大抵の場合「ビール」

でも、夏の風物詩のビアガーデンやビアホールは「ビア」

だが、そこで飲む場合でも、「ビール」

いったいどっちなんだよ!

…という疑問に、下記の日経新聞の記事がスッキリ答えてくれた。

www.nikkei.com

というわけで、今回はこの記事からちょこちょこ引用しながら、ビールとビアの違いに関する考察をしてみようと思う。

 

そもそも始まりは「ビール」だった。

冒頭の日経の記事によれば、ビールが日本に入ってきたのは8代将軍吉宗の時代。鎖国していた日本の、唯一の外国との窓口であったオランダからもたらされた。

記事から一部を引用すると…

オランダ商館長たちから西洋の文物や風俗について聞き出して書き取った「阿蘭陀問答」(1724年)に初めてビールに関する記述が登場する。

「何のあちはひも無御座(ござなく)候 名はヒイルと申候」。

当初からオランダ語「bier」の発音に近い「ヒイル(ビイル)」と呼ばれていたことがわかる。

というわけで、日本に入ってきた当初から、ビールはビールと呼ばれていたといって良さそうだ。

では、「ビア」という言い回しはいつ頃出てきたのかというと、それはどうやら戦後の話のようだ。

再び日経の記事から引用すると…

戦時中、軍は手に入りやすいサツマイモなどの穀物でビール味の酒をつくるよう大学などに命じ、発泡酒が誕生した。この技術を生かし終戦後、発泡酒が民間でつくられるようになる。

1946年、太洋醸造からさつまいもを原料にした発泡酒「タイヨービーヤ」が登場。「ミリオン・ビーヤ」「リンゴビヤー」など各地で様々な発泡酒が作られた。これらの発泡酒メーカーは英語読みの「ビア(ビヤー)」を商品名につけた。

端田氏は「既存の会社と差異化を図るため、また新時代の飲み物として英語由来の『ビア』を使うのは道理に合っている」と分析する。

ということで、元々は日本軍の要請により誕生した発泡酒に、戦後様々なメーカーが「ビーヤ」とか「ビヤー」などの名前をつけて売りだしたのが発端のようだ。戦後の日本がアメリカの影響を色濃く受けた事が大きいと思われる。

つまり、この時代は、「ビール」と「ビア」は違うものを意味していたことになる。

 

「ビア」呼称問題を巡って、かつて訴訟があった。

発泡酒というと、自分としては90年代になって現れた新しいお酒なのかと思っていたが、どうやらその歴史は古かったというのは驚きだった。

またもや日経の記事からの引用になるが…

それまでビールと言えば高級品だったが、発泡酒が代替品として普及するようになる。

その代表格が57年、「うまくてやすくて倍酔える」を売り文句に発売されたライナービヤーだった。

大手のビールが125円でアルコール度数3.7%であったのに対し、ライナービヤーは65円で7%。広告に石原裕次郎を使い、安さとアルコール度数の高さを強調し人気を博した。 

ということで、1950年代末には、このライナービヤーと呼ばれる発泡酒が人気だったらしい。

だが、普通にビールを販売している会社からすれば、「ビール」に近い「ビヤー」という名前で、それより安い発泡酒を売られるのはたまったものではない。ということで、ライナービヤーは大手ビール会社から訴えられることになる。

これに対し反発を強めたのが麒麟、日本、朝日、宝の大手ビール会社だ。

ついに59年、「酒税法上発泡酒とビールは別物だが、発泡酒にビールに似た名前を付けた」として不正競争防止法違反でライナービヤーを提訴。

訴えられたライナービヤーは「『ビヤー』は『ビヤホール』などの合成語として使われるので、単語としてビールと同じに使われる例はない」と反論。両者は真っ向からぶつかり合ったが、結局ビール4社に軍配があがった。

この裁判は大手新聞などメディアでも報道された。その結果、「ビア(ビヤー)」は安酒の発泡酒でビールとは違うという印象が一般に広がったようだ。

といった経緯で、「ビール」は高級酒、「ビア」は安酒というイメージが世の中に浸透していったのだという。だが、日本が豊かになり、発泡酒そのものが飲まれなくなると、「ビア」という言葉にこびりついた安物というイメージは消えていくことになる。

 

現代では、特に「ビール」と「ビア」に意味的な区別はない。

さらに興味深いのが、ビアホールの名前の由来だ。なぜ、ビールを出すお店の名前を「ビア」にしたのか。それは、この記事によれば命名時の相談相手による影響なのだそうだ。

ビアホールは日本麦酒(現サッポロビール)の馬越恭平社長が名付け、1899年に開業したのが始まりだ。

ビール専門居酒屋という新しい業態に命名する際、馬越は青山学院大学の基礎を築いた米国人宣教師のジュリアス・ソーパーや商法講習所(現・一橋大学)の初代所長であり米国帰りの矢野二郎などに相談していた。

英語を使う人々に相談していたこともあり「ビール」ではなく「ビヤ」が採用されたという。これが定着したため「ビールホール」とは言われないようだ 

というわけで、アメリカ人に相談したため、英語読みの「ビア」の呼称を使うことになったという、わりと単純な話のようだ。

 

そんなこんなで、「ビール」と「ビア」の違いや、その由来などを日経の記事を元に見てきたが、この記事にもある通り、現代では「ビール」と「ビア」に意味的な違いはない。なんとなく語感の問題で「生ビール」「ビールジョッキ」「ビアホール」「ビアガーデン」などと使い分けていると言ってもいいだろう。

お酒は個人的に殆ど飲まないのだが、今回は日経新聞のお陰で勉強になった。

自分の知らない世界のことを知るのは楽しいですな。