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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

レトロゲーム回顧録その28 月風魔伝

レビュー レトロゲーム ゲーム

✳︎以前投稿した記事ですが、不具合があったので、削除して再掲しました。 

「月風魔伝」は、1987年にコナミから発売された(コナミ曰く)アクションRPGだ。

月風魔伝

月風魔伝

 

パッケージはホログラムシールのようになっており、見る角度によって違う絵が見えるという非常に変わったものだった。

ゲームの内容は和風テイストのアクションゲームで、二人の兄を悪の化身龍骨鬼に殺された主人公「月風魔」が復讐の旅に出る、というのが簡単なストーリーだ。

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サムライ的な雰囲気の主人公なので過去の話かとおもいきや、公式のストーリーによれば

西暦一万四千六百七十二年、魔暦元年。
地獄界から魔王・龍骨鬼が覚醒した。
龍骨鬼は月氏三兄弟が統治する地上界を征服しようとたくらんでいた。

と、驚くべきことに、とんでもなく未来の話だったりする。

和風テイストのゲームで、主人公が赤毛の長髪キャラだったりする点といい、ゲームのデモ画面でストーリーの背景を語ってくれる謎の老婆といい、どう見ても「源平討魔伝」の影響が見て取れる。

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※月風魔伝の老婆

 

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※源平討魔伝の老婆(安駄婆)

それもそのはず。月風魔伝のWikipediaによれば、開発者自らが源平討魔伝の影響を受けて作ったゲームであることを認めているのだ。

本作は前年の1986年にナムコから発売されたアーケードゲーム『源平討魔伝』に類似する点が見られるとして当時の『月刊Beep』の読者ページにてこの件に関する論争の投書が掲載されている。事実、それから十数年後に月刊Beepの後継誌ともいえる『ドリマガ』誌上の当時のスタッフへのインタビューで『源平討魔伝』の影響を受けて製作した事を公式に認めている。

他にも似ている点はたくさんあって、ステージ終わりの鳥居とか、「けん」と「いのち」というパラメーター、お金をばら撒いてくる大黒様(源平討魔伝では観音様)、そして穴に落ちると下から出てくる「死」の文字(源平討魔伝では、死ぬとカラダがバラバラになって、上から「完」という文字が降ってくる)など、類似点は枚挙にいとまがない。

そもそもゲームの名前だってかなり似ている。

だが、それらに目をつぶって月風魔伝を単体のゲームとして見れば、非常によく出来たアクションゲームになっているのだ。

 

ゲームが始まると主人公はフィールドマップにいて、道行く先に点在する鳥居に触れると、横スクロールのアクションマップに移動する。

ここで敵を倒して経験値的なものを稼いだり、魂のようなアイテムを取って体力を回復させたりして進んでいく。巾着袋を取ればお金を手に入れることができ、お店で買物をすることが出来る。

当時のゲームは、こういう「成長要素」と「買い物要素」があるだけで「RPG」と名乗っているゲームが多かった。それだけ、この時代はRPGがブームとなっており、逆に言えば「◯◯クエストと名づけたり、RPGと自称すれば売れる」と考える風潮が業界にはあった。

この定義でいえば、「がんばれゴエモン」や「ファンタジーゾーン」もRPGになってしまうので、月風魔伝を「アクションRPG」と呼ぶのは、あまり相応しくないような気がする。当時の感覚で言えば確かにRPG要素を備えたゲームではあったが、それでもこのゲームは「アクションゲーム」にカテゴライズされるべきゲームだと個人的には思う。

 

フィールド上の洞窟のアイコンに接触すると、3Dダンジョンに入る。ゴエモンもそうだったが、コナミは3Dダンジョンが好きなのだろうか?しかも、ダンジョン内は初めは真っ暗なので、ロウソクを使って道を照らす必要がある。

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さらに、この3Dダンジョンでは敵との戦闘もある。

このエリアでは画面の手前に月風魔の姿が描かれ、十字キーに連動してノッシノッシと歩くのを見ることが出来る。その状態で敵とエンカウントすると、シームレスにその月風魔を操るアクション戦闘に突入する。

移動画面はややもっさりしているが、戦闘部分は良く出来ていると思う。攻撃もただ斬りつけるだけでなく、縦斬りや斜め切りなどができ(効果に違いがあるのかは不明)、敵の攻撃も移動やジャンプでかわす必要がある。

 

源平討魔伝の影響を受けているだけあって、途中で出てくるボスたちもファミコンにしては巨大なものが多い。主人公の攻撃も、正直コマが強すぎる感はあるが、色々なアイテムが用意されていて多彩である。特に、このゲームの最終的な目的である、三つの「波動拳」を取り戻した後の「負ける気がしない感」は格別だ。

コナミのスタッフは、このゲームを源平討魔伝の単なる模倣に終わらせず、ファミコンで出来ること、そして家庭用ゲームでしか出来ないことを盛り込んで、パクリ元本家を超えてやろうという、大いなる意気込みを込めて作ったゲームであると言えよう。 

 

そして、忘れてはならないのが、このゲームを彩るBGMである。

とくにメインテーマとも言える「行け、月風魔」、デモ画面の悲しげな音楽、そしてラスボス戦である「龍骨鬼戦」と、非常にカッコよくて熱いBGMが目白押しなのだ。

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勿論エンディング曲も非常にカッコイイ。初めてクリアした時は、カセットテープに音楽をテレビから直接録音して何度も聞いたものだ。

※原曲が見つからなかったので原曲に一番近いものを貼っておく。

後に、「悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair」のダウンロードコンテンツで月風魔が配信された時には、BGMが思い切ったロックアレンジをされたが、個人的には原曲のほうが悲壮感と勇敢さを漂わせていて良いと思っている。思い出補正なのかもしれないが。

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ちなみに、龍骨鬼戦もアレンジされているが、こっちは非常にカッコイイ。

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正直いって、月風魔伝は、アーケードで源平討魔伝が衝撃的なデビューを飾った翌年に、ファミコンでリリースされたという経緯とその類似性から、どうしても色眼鏡で見られがちなゲームではあるが、パクリインスパイアされたゲームとしては非常に良く出来ているゲームであるといえる。

 

ただ、その後のコナミのゲームに度々キャラがゲスト出演してみたり、その音楽がコナミの音ゲーでアレンジされてみたりはしたものの、ゲーム自体の「続編」は制作されなかった。それはやはり、源平討魔伝を参考に作られたという出自に原因があったのかもしれない。

 

このゲーム自体が、エンディングで完全にストーリー的にも綺麗に完結しているという事もあるのだろうが、この世界観での続編を見てみたかったと、今更ながら思う。

いつも同じようなことを言っている気がするが、今の技術でリメイクしたら面白いだろうに…

いや、今のコナミには何も期待できないか…