Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

レトロゲーム回顧録その31 バットマンリターンズ

「昔のキャラゲーに当たりなし」

一部の奇跡的な作品を除いて、この金言に間違いはない。その数少ない例外の一つが、コナミが1993年に放った、ベルトスクロールアクションゲーム「バットマン・リターンズ」である。 

バットマンリターンズ

バットマンリターンズ

 

この頃のコナミは、T.M.N.Tとかタイニートゥーンアドベンチャーズとか、なんかアメコミものゲームを幾つか出していたが、このバットマン・リターンズもその中の一つだ。


[SFC] BATMAN RETURNS - KONAMI - YouTube

 

近年、クリストファー・ノーランの「ダークナイト」シリーズで、完全にトップフランチャイズとしての地位を取り戻した映画のバットマンであるが、個人的にはこの90年代のバットマンシリーズもわりと好きである。

その中でも一番好きなのが、ティム・バートン監督の二作目「バットマン・リターンズ」だ。

個性的というより偏執的なメインキャラクターや妙な小道具など、鬼才ティム・バートンらしいB級感が、バットマンというハリウッド映画におけるトップブランドと奇跡の融合を果たした作品だといえる。後にDVDも勿論買ったし、SFCでゲーム化されると聞いた時は不安と期待が入り混じった、なんとも言えない思いに駆られたものだ。

「あの名作映画がキャラゲーによって台無しにされてしまうかもしれない」と、恐る恐る買ってきて電源を入れたのだが、素晴らしいオープニングデモに息を呑み、続いて始まったゲーム本編では、出来の良さに感心した…というより安心した。

 

このバットマン・リターンズ、ぶっちゃけて言ってしまえばカプコンの「ファイナルファイト」である。


ファイナルファイト AC版ハガー1コインクリア 1/5 - YouTube

というか、「ベルトスクロールアクション」という時点でファイナルファイトの呪縛からは逃れられない。この時期は猫も杓子もベルトスクロール。

シンプソンズだろうが


AC版 ザ・シンプソンズ (ホーマー) 20.8万 ALLクリア - YouTube

セーラームーンだろうが


【SFC】美少女戦士セーラームーン - YouTube

ベルトスクロールアクションで、殴り、蹴り、車を壊したりしていた時代なのだ。

 

ただ、このバットマン・リターンズが、他のファイナルファイトクローンと明らかに違うところは、その遊びやすさだ。ボタンのレスポンスが抜群に良いのである。

バットマンの動きはあまり素早くはないのだが、逆に一発一発の重さを感じられ、バットラングを雑魚にぶつけた後に近づいて殴りつけたりする戦い方や、所々で使えるワイヤーアクションなどは、自分がバットマンになったような気分にさせてくれる。

この「◯◯になった気分になれる」というのは、キャラゲーの最大の利点であり、とても重要な要素でもある。そういう意味では、このゲームは良質なキャラゲーであるということが出来る。

 

ファイナルファイトと少し違う点は、連続攻撃中に十字キー上を押して画面奥に敵を投げつけることが出来る点(しかも、背景の壁にヒビが入ったりガラスが割れたりして細かい!)と、バット試験管とかいう緊急回避的なボムで、画面全体の敵にダメージを与えることが出来る攻撃がある点が挙げられる。

敵のアルゴリズムも、ファイナルファイトそっくりなのだが、映画で出てきたピエロの格好をした敵達も、バク転してみたりとそれっぽい動きをしていたので、あまりパクり感はない。まあ、それでもファイナルファイトっぽさは満載なのだが…

 

ステージ間のビジュアルシーンはとても美しく、音楽も映画を意識したメロディで、雰囲気としては本当に素晴らしい。

f:id:potatostudio:20150712154352p:plain

今のバットマンシリーズは、もっと原作に近い雰囲気で、より多彩なガジェットを使った、本当にバットマンっぽいプレイができるようになっているが、93年のキャラゲーでここまでのクオリティ、しかもハリウッド映画を原作としたゲームとなると、他にはカプコンの「アラジン」などしか思いつかない。


SFC アラジン - YouTube

 

ステージ構成は、映画にも出てきたようなステージもあるにはあるが、全く関係のないステージもあって、スタッフの苦労を感じさせてくれる。というより、どうしてもファイナルファイトっぽさが感じられるレベルデザインになってしまっているのが残念ではある。

まあ、良質なサンプルがファイナルファイトしかないので、どうしても同じようなものになってしまうのは、ベルトスクロールアクションの性であり、それはこの後やってくる格闘ゲームブームにも言えることだったりするのだが。

 

ただ、ゲーム中のメッセージが全て英語なのは一体どういうことなのだろうか。このゲームは日本語のWikipediaもないので、コナミのどのスタッフが作ったのか詳しいことはわからない。ひょっとしたら、海外で出たバージョンをそのまま日本で発売したのではないかとさえ思える。いわゆる、日本語マニュアル付き英語版というやつである。

その後、SFCに限って言えばコナミはベルトスクロールアクションのゲームを出していないところを見ると、このゲームはあまり売れなかったのかもしれない。それに、ベルトスクロールアクション自体が飽きられてしまい、格闘ゲームのブームがやってきたので、その影響もあったとも言えるだろう。

 

いまやコナミは、ウイイレとパワプロとメタルギア以外に、まともなゲームを出さないメーカーに成り下がってしまったが、コナミのアクションゲームと言えば悪魔城シリーズやゴエモンシリーズだった時代、その影でこういう良質のキャラゲーが作られていたことを忘れないでいたいと思う。

 

かつてコナミの大ファンであった一人のゲーマーとして。

広告を非表示にする