読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

レトロゲーム回顧録その32 クロックタワー

ゲーム レビュー レトロゲーム

1995年、ヒューマンから「シネマティックライブシリーズ」の第3弾として発売されたホラーゲームが、「クロックタワー」だ。

クロック タワー

クロック タワー

 

www.youtube.com

 

主人公は、ジェニファー・コネリーそっくりの美少女、その名もジェニファー。

f:id:potatostudio:20150726224938j:plain

孤児院育ちのジェニファーは、引き取り手が見つかったということで、教師のメアリーや、同じく養女となる三人の友だちとともに、山奥のバロウズ邸に向かう。だが、そこには巨大なハサミを手に殺戮を繰り返す殺人鬼「シザーマン」がいた…というのが、このゲームの大まかなストーリーだ。

ホラー映画好きな人なら気がつくかもしれない。ジェニファー・コネリー主演の、似たような設定のホラー映画があったことに。それは、イタリアの偏執家鬼才ダリオ・アルジェントが1984年に作った「フェノミナ」という作品だ。

フェノミナ -製作30周年記念HDリマスター特別版- [Blu-ray]

フェノミナ -製作30周年記念HDリマスター特別版- [Blu-ray]

 

このクロックタワーには、フェノミナに対するオマージュがそこかしこに見られる。特に、ジェニファーに振りかかる気味の悪い現象の数々は、まさにダリオ・アルジェントがジェニファー・コネリーに対して映画内で行った演出をなぞっているようで、とても気持ち悪いよく出来ている。

 

ゲームのシステムは一風変わっている。このゲームは、サイドビュー視点のアドベンチャーゲームで、主人公のジェニファーを直接動かすのではなく、カーソルを動かしてクリックできるポイントを探し、そこでそのポイントでボタンを押すことにより、ジェニファーを誘導する事で進行する。

さらに、殺人鬼シザーマンに遭遇してしまった時は、基本的に逃走することしか出来ない。ジェニファーを上手く導いて、シザーマンから逃してやらなければならないのだ。プレイヤーはなんとかしてクリックできるポイントを探し、何らかのオブジェクトでシザーマンを怯ませている間にジェニファーを逃がす手段を考えなければならないのだ。

運悪くシザーマンに追い詰められてしまったとしても、ジェニファーの顔グラフィックが点滅している時にボタンを連打すれば、一時的にシザーマンを回避することが出来る。このシステムは、「連打せずにはいられない(RENDA SEZUNIHA IRARENAI) 」の頭文字をとって「RSIシステム」と、説明書には書いてあった。ホラーゲームのくせにここだけは何故かギャグである。

 

ゲームはマルチエンディングになっており、全部で9種類あるのだが、バッドエンドが多く、真のエンディングに辿り着くためには、複雑なフラグ管理を乗り越えなければならない。

だが、このゲーム、バグが多いことで有名なのだ。

発動するはずのイベントが発動しなかったり、フリーズして進行不能になってしまうと言う事もわりと起こりうる。

さらに、ゲーム内には全くヒントが存在しないため、正直攻略本とかwikiなしでクリアするのは不可能なんじゃないかと思えるほど、ゲーム進行が複雑だ。手順を間違えると、いわゆる「詰み」の状態になるため、最初からやり直しすることを強いられる。

 

と、色々と欠点の多い本作ではあるが、それを補って余りある利点というか、この時期のゲームではオンリーワンの魅力を放っていたのも事実だ。

まずは、その独特なシステム。主人公を直接操作することが出来ないということは、敵に襲われたとしても、簡単にその状況を回避できるわけではないことを意味する。まさに、インタラクティブ性を備えた映画のような、不思議な体験をプレイヤーにもたらすのだ。

そして、敵であるシザーマンの抜群の存在感。これが、このゲームの最大の魅力であるといえるだろう。

お風呂のカーテンを開けると何もなく、ホッとして振り向いた瞬間バスタブの中からシザーマンが現れたり、とにかく神出鬼没なので油断できない。前に大丈夫だった場所でも、次に通った時にはいきなり現れたりするので、常に緊張感を持ってプレイしないといけない。しかも、ジェニファーは基本的に戦う手段を持たないのだ。

この緊張感は、同時期の並のゲームにはなかった本作最大の魅力であるといえる。それが、ともすれば薄暗くて気味が悪い色調のグラフィックスと相まって、独特な雰囲気を醸成しており、ホラーゲームとしての雰囲気は抜群である。

 

本作は、大ヒットに恵まれたとはいえないが、PlayStationで続編が発売され、シリーズ化された。2作目の「クロックタワー セカンド」は約40万本のスマッシュヒットを飛ばしている。

だが、1999年に開発元のヒューマンが倒産してしまい、ナンバリング3作目の「クロックタワー3」はカプコンから発売されることになる。だが、もはや3はクロックタワーの続編と呼べるようなゲームではなくなっており、この作品をもってシリーズは実質的に終了してしまった。

それでも、最近KickStarterにおいて、クロックタワーの精神的続編である「NightCry」というゲームの資金募集が行われ、見事に目標を達成。スマートフォンだけでなく、コンソールでのリリースも決定した。

www.gamespark.jp

あの名作の、実質的な続編がこういう形で遊べるのは、実に素晴らしいことだと思う。今は、リリースされるのを楽しみに待つ事にしよう。