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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

なでしこジャパンvs韓国 じっくりマッチレビュー 東アジアカップ2015

じっくりマッチレビュー なでしこ 日本代表
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真夏の連戦。

中国国内でも比較的熱い地域として知られる武漢で、今回の東アジアカップ2015は開催されている。しかも、短い期間に同一の会場での連戦ということで、ピッチ状態など色々と問題が予想される今大会だが、その東アジアカップ2015も2戦目を迎えた。

海外組を呼べないこともあり、男女ともにベストメンバーとは言いがたい陣容で臨んでいる日本であるが、とくになでしこジャパンの方は大幅なメンバーの入れ替えを行い、恐らくは来年2月末から大阪で開催される、リオデジャネイロオリンピックアジア最終予選に向けたメンバー選考を視野に入れた編成で、この大会を戦っている。

そんな中、初戦の北朝鮮戦では2-4で敗れるというショッキングなスタートを切ったなでしこであるが、次の相手は前回大会で敗れている韓国である。相手がほぼベストなメンバーを揃えてきているとはいえ、日韓戦であり、しかも優勝するためにはもう勝つしか無い。

というわけで、そんな韓国戦のスタメンは以下の通り。

GK
21 山下杏也加(日テレ・ベレーザ)

DF
13 京川舞(INAC神戸レオネッサ)
4 村松智子(日テレ・ベレーザ)
14 田中明日菜(INAC神戸レオネッサ)
19 薊理絵(ASエルフェン埼玉)

MF
7 上辻佑実(日テレ・ベレーザ)
8 猶本光(浦和レッズレディース)
2 中島依美(INAC神戸レオネッサ)
23 柴田華絵(浦和レッズレディース)

FW
17 有町紗央里(ベガルタ仙台レディース)
15 田中美南(日テレ・ベレーザ)

北朝鮮戦から9人のメンバーを入れ替えて来たなでしこジャパン。一方、海外組を除けば、ほぼベストメンバーの韓国を相手に、この若いチームがどういう試合を見せてくれるか。

 

ミスの多かった前半だが…

日本は試合開始から、韓国の圧力を感じていたのか、中盤でのミスが続き、韓国にカウンターを許す場面が多かった。

それでも、前半19分には猶本がペナルティエリア左からシュートを放つが、これはクロスバーの上に外れていく。さらに前半25分には、上辻からのスルーパスを受けた2試合連続出場の有町が抜け出してシュート。惜しくもボールはゴールの枠を逸れていった。

そのすぐ後の前半29分。CK崩れのこぼれ球を、エリア手前左から中島がダイレクトシュート。これが相手選手に当たって、コースが代わりネットを揺らした。

不思議なもので、先制点を決めた後はパスも繋がるようになり、前線からのプレッシングも上手く機能し始める。そして、そのまま前半は終了し、なでしこが1点リードで折り返すことになった。

 

終了間際で逆転を許してしまった後半。

後半、なでしこは更に点を狙って果敢に前へ出るが、後半の5分にはCB村松がア・リーミンに振り切られてボックス内に侵入を許し、シュートを打たれるも、これはGK山下が正面で抑えた。

しかし、その5分後の後半10分、中盤でのパスをインターセプトしたチョ・ソヒョンがそのままの勢いでドリブルを敢行し、日本の選手が寄せてこなかった事もあり、エリア手前でシュートを放つ。これがゴール左隅に見事に決まって、なでしこは同点に追いつかれてしまう。

その後、再び点を取りに行くなでしこは、後半12分に猶本からのスルーパスを受けた京川が右足でシュートを放ち、そのこぼれ球を田中美南が左足でダイレクトボレー。だが、これはわずかに枠を逸れてしまう。

後半18分、佐々木監督は上辻を下げて川村優理を投入する。今大会、チームキャプテンを任されている川村が流れを変えられるか。さらに後半27分、今度は薊に代えて菅澤優衣香を送り込んだ。

その直後、なでしこはビッグチャンスを迎える。右サイドを抜けだした京川が、絶妙なマイナスのボールを中央に入れる。だが、これを柴田が空振りをしてしまった。連戦でピッチ状態が悪く、イレギュラーバウンドしてしまったのかもしれないが、結果的に韓国を突き放す最大のチャンスを逸した事になった。

そして、後半の追加タイム。エリア左の少し遠い位置で韓国にFKを与えてしまい、これをツァン・カユルに直接決められてしまい逆転を許す。

なでしこはそのままゴールを奪うことは出来ず、初戦に続いて連敗となり、今大会の優勝の可能性は消えた。

 

最後の中国戦をムダにしないために。

この東アジアカップという大会は、男子にとってはいつもそうなのだが、今回はなでしこにとっても立ち位置の難しい大会となった。

何としても優勝を狙いに行く大会でもないし、メンバーも大幅に代えてしまったため、コンビネーションを醸成するような時間もなく、チームとしての狙いを明確に出すことができないことはわかりきっていたためだ。

それでも、佐々木監督が今大会こういう選択をしたのは、他でもないリオ五輪の予選を睨んだ上のことだろう。

来年2月まで、なでしこジャパンがこなせる試合はそう多くはない。今大会は、立ち位置的には微妙な大会であるが、アジアの強豪の3カ国とタイトルを争う緊張感を経験できる貴重な機会とも言える。そこに経験の少ない若手をあえてぶつけることによって、グループとしての底上げ、そして個々人の見極めを狙っていたのではないか。

勿論、代表として臨む以上「捨てていた」わけではないだろうが、少なくとも是が非でも優勝を狙いに行っているわけではないことは、選んでいるメンバーを見れば明らかだ。

そういう意味では、最後の中国戦は消化試合などでは全くない。この大会だけでなく、この後に控えているもっと大きな戦いに向けてのサバイバルが既に始まっていることを忘れずに、選手たちには最後まで全力で戦って欲しいと思う。