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自分用備忘録的な何か。

甲子園はどうしてこんな真夏にやらなきゃいけないわけ?

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夏の風物詩、あるいは…

今年の夏は、連日の猛暑が続いている。ニュースでは頻繁に熱中症で倒れた人の事が取り上げられ、こまめな水分補給や、炎天下での外出や運動時の注意事項を伝えている。

だが、そんなニュースの後、スポーツコーナーになると、連日全国高校野球選手権、つまり甲子園の話題が始まる。

自分は、これに違和感を感じざるをえない。

たとえば、日本体育協会のWebサイトに行けば、熱中症予防運動指針というコンテンツがある。これによれば、31度以上で厳重警戒し、激しい運動は避ける。35度以上の気温になれば、運動は即刻中止せよと書かれているのだ。

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だが、そんなことはお構いなしに、甲子園は連日の「熱闘」で盛り上がっている。

 

選手も観客も熱中症にはなっている。

テレビでは「熱戦」の様子しか伝えられないが、実のところ選手も観客も熱中症で倒れたり、救護室に運ばれたりはしている。

www.sponichi.co.jp

兵庫県西宮市の甲子園球場で開催中の全国高校野球選手権大会で9日、熱中症を原因とする選手交代が続き、各試合で4万人以上が詰めかけた観客席ではファンが救護室に運ばれた。

 第1試合で好投していた津商(三重)の坂倉誠人投手は7回途中に両手のけいれんを訴えて降板した。第2試合に出場した創成館(長崎)の中島崇二塁手も両足などがけいれんし、ベンチ裏で医師が熱中症と診断。9回の守備から交代した。

 甲子園球場は最高気温35度前後の日が続き、グラウンドはさらに高温となる。大会本部は試合を控える出場チームに水分補給の重要性を説明。試合後すぐ取材を受ける選手に水の入ったペットボトルを手渡している。

 熱中症や日射病で救護室に行った観客は8日に61人、9日に42人になった。一時は部屋に入りきらない状況になったという。日本高野連の竹中雅彦事務局長は「高温とともに、湿度が高いのも影響しているのでは。(熱中症は)例年より多い」と話した。放送などで、帽子の着用、通路など日陰での休憩、水分補給を呼びかけている。

それもこれも、こんな真夏の日中に試合が開催されるからだろう。

自分の従兄弟も、在学中に母校が甲子園に出場した際には動員されて応援しに行ったらしいが、物凄い熱さで本当に「ヤバイ」と感じたそうだ。

引用した記事の津商のエピソードに限らず、この手の話題はなんか「美談」のようにされる事が多く、ヤバイというより、末恐ろしくなってくる。

www.nikkansports.com

気温が30度を超えると、観客席も地面の照り返しなどがあって、体感温度はもっと上がるだろう。ましてや、満員のスタンドともなれば、人の熱気も手伝って通常よりも蒸し暑く感じるはずだ。

自分も昨年実際に軽い熱中症になったが、その軽度の症状でも、身体はだるいし熱は出るし食欲はまるでなくなるし、なにより全く動きたくなくなってしまった。暑い日に、ちょっと自転車で出かけただけでそんな風になってしまったのである。甲子園のスタンドのように、猛暑で、なおかつ人がぎっしりいる中、何時間も応援するなんて考えるだけでも恐ろしい。

そして、実際にプレーしている選手たちはもっと暑さを感じているに違いない。引用した記事にも、大会本部は放送で水分補給などの注意を呼びかけたり、選手に水を手渡したりしているらしいが、そもそも熱中症のリスクがどう考えても高い環境下で、この時期に試合をやらなければならない理由はなんだろうか?

 

興行と安全、優先するのはどっち?

甲子園で行われる高校野球は、巨大な興行だ。そこには当然、色々なメディアや関係者のしがらみがあるだろうし、甲子園球場を連日使用するという大会の特性上、この時期しか開催するのが不可能なのかもしれない。

だが、それはスポーツとしての本質や、選手や観客の安全を考えた時に、熱中症で倒れるかもしれないリスクを背負ってまで開催する理由になりえるのだろうか?

自分にはそうは思えない。

15日間で全国47都道府県の代表校が戦うという日程上、一日の試合数を極端に減らして、涼しい時間だけ試合を行うというのはかなり難しい案だろう。そうなると、開催する時期を涼しい季節にずらすなどの施策を考えても良さそうなものだが、夏休みという時期を逃せば動員に多大な影響が出るとも考えられる。

高校野球連盟はその辺りの事をどう考えているのだろうか。ちょっとネットを検索したくらいでは、公式のコメントが見つからなかったので、実際に高野連がどういう考えでいるのかはわからなかった。

まあ、実際高校野球だけでなく、高校総体も似たような問題を抱えていると思うのだが、とにかく、一番大事なのは命である。それが一部の者達の利権や、「球児の夢」とか「伝統」などの、聞こえのいい言葉に逃げてしまうのは、周りの大人があまりにも無責任すぎるのではないかと思う。

今年は100年目の大会ということで、伝える方も気合を入れて報道しているようだが、不測の事態が起きる前に改革を実行すべきなんじゃなかろうか。

ちなみに、今日も明日も、西宮市の天気予報の熱中症情報は「厳重警戒」である。