Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

もう、薬に手を出すしか無いと思ったあの日の話。

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板挟みだった日々。

それは、2006年頃の話。

その頃、自分は職場でサブリーダー的なポジションについており、リーダーとその上司とその他一般従業員の人たちとの仲介役というか、つなぎ役の様な立場にいた。

だが、上司とリーダーの仲が、表面的には良さそうに見えながら、実は影で悪口ばかり言っているような状態で、自分はその両方を聞いていた…とうか、聞かされていた。

そして、いつしか職場は上司派かリーダー派かの二分状態になっていき、なんだかギクシャクし始めたのが目に見えてわかった。

自分が運が悪かったと思っているのは、そんな時期に後に自分の妻となる女性と付き合い始めたことだ。妻は同じ職場で働く一般従業員で、いわゆる職場恋愛というやつだ。

このギクシャクした時期に、自分たちが付き合っていることを、職場のみんなには知られたくなかった。ただでさえややこしい事になっているのに、余計な因子を職場に持ち込みたくなかったからだ。ひょっとしたら二人揃って丸め込まれるのが嫌だったのかもしれない。

 

いつの間にか孤立していた。

そんな状態の職場で、上司派は上司派で、リーダー派はリーダー派でお互いに影で文句を言い合うのを、サブリーダーである自分は聞かないわけにはいかなかった。二極化してしまっている職場を繋ぎ止めるには、自分が頑張らねばならないと「勘違い」していたのだ。

自分では、あくまでニュートラルな立場で、職場のために奔走しているつもりだったのに、気がついてみれば、いつの間にか誰も自分に対してコミュニケーションを積極的に取らなくなってきていた。なんだか避けられているんじゃないかとさえ感じることもあった。

職場でも食堂でも休憩室でも、誰も自分には話しかけてこない。それどころか、わざわざ違うテーブルの席に座ったりする。今の今まで楽しそうに話しをしていた人たちが、自分が来ただけでしーんとなる。

そう、いつの間にか、自分は職場内で孤立していた。

何が原因だったのかは、今でもよくわからない。どこの「派閥」にも属そうとしない自分が、なにか気に食わない奴と思われたのかもしれないし、お互いの「派閥」が自分を「スパイ」のように思っていたのかもしれない。

自分としては、そういう小さな世界での争い事は大嫌いだった。下らないとさえ思っていた。いい年した大人が、そんな事で争うなんてバカバカしいと思うし、本当に心の底からそんな事に巻き込んでほしくなかった。

そんな自分の姿勢も、「派閥」の内部にいる人からすれば、癪に障ったのかもしれない。

 

食堂に行くのを止めた。

正直いって、この頃になると疲れていた。今の会社に入って初めて、会社に行きたくないと思った。だが、とくになんの病気でもない(と思っていた)のに休む気にもなれず、重い気分で会社に行っていた。

仕事中はともかく、休憩時間はなるべく職場の人と顔を合わせたくなかったので、食堂にご飯を食べに行くのを止めた。そうすることで、少しでも長く休憩室に一人でいる時間が生まれる。この「一人の時間」が、唯一自分が安らげる時間だった。

そんな日々を過ごしているうちに、どんどん体重は減っていき、だんだん夜寝付くまでの時間が長くなっていることをじわじわ感じてきていた。ベッドに入ると余計なことをつい考えてしまうのだ。

「明日はどういう態度で皆と接すればいいのか」とか、「アイツは今日機嫌が悪そうだったが、自分が悪かったのだろうか」とか。

そんな中、自分は自分で妻との結婚に向けて、プライベートも大忙しだった。当然、職場の人も呼ばないわけにもいかず、何人かは呼ぶことにした。一応気を使って、「派閥」を考慮してメンバーを選んだ。

そして、入籍した次の日に、黙っているわけにもいかないので、ミーティングの時に「私たち結婚しました。これからもよろしくお願いします」と挨拶したが、反応は冷たいものだった。拍手ひとつなかったのだ。

正直、こたえた。

 

ついに決壊した自分の心。

ウチの会社は、結婚すると基本的に同じ職場にはいられない。多分、何か家で問題があって、夫婦で同時に休まれるのが困るからだ。その事を知っていた妻は、自分から社内公募で別の部署に異動していった。

自分は、相変わらず職場で孤立したままだった。そして、どんどん疑心暗鬼になっていった。

複数の人が自分のことをチラ見した後に話している姿を見ると、自分の悪口を言っているのではないかと思うようになった。「派閥」の対立の時に自分が見ているだけに、誰が影で何を言っているかわかったものではないので、会社では無口になっていった。

そういった会社での不安や愚痴のようなものを、妻や誰かに話して鬱憤晴らし出来れば、少しはマシだったのかもしれないが、あいにく自分はそういう話をするのが心底嫌いで、自分の中に溜め込んでいた。時にはモノに当たって、PS2のコントローラーをへし折ったこともあった。

そんな事を1年近く続けているうちに、自分の心は確実に蝕まれていき、ついに決壊した。夜にうなされて目が覚めるようになったり、夜中になっても眠れないようになってしまったのだ。

とても耐え切れなかったので、ドラッグストアで睡眠薬を買ってきた。だが、これは自分には全く合わず、目が覚めた時に体が動かせないほど酷かった。

いくら会社に行くのが苦痛とはいえ、眠れないのでは色々と支障をきたすので、医者に行って睡眠薬を処方してもらうことにした。2007年の12月の事だった。会社も、診断書を出して1週間休みを取った。

職場復帰後、上司からは「何があったんだ」と聞かれたが、「お前らのせいだよ!」と、面と向かっていえるわけもなく、適当な理由を言って誤魔化した。本当は、話もしたくなかった。

それからしばらくして、リーマンショックが起こり、自分が働いていた職場は解散になった。同じ会社の別の部署に、バラバラに再配置されたのだ。正直いって、自分にとっては救いの船のように思えた。

だが、その6年後に今度はうつ病で倒れ、その後の1年間でさらに体重を18kgも失い、寝る前に飲む薬は7錠にまで増える事になるなんてことは、当時の自分には知る由もなかったのだった。