Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

僕たちに、もう2ちゃんねるは必要ない。

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ネットを始めたばかりのあの頃。

自分が、パソコンを買ってインターネットを始めたのは1999年9月の事だった。買ったパソコンはシャープのメビウスノート。契約したプロバイダはSo-netだ。

なんで数あるメーカーのパソコンから、シャープのメビウスなんて言うマイナーな奴を選んだのかというと、あの頃はまだ東京に住んでいたので、秋葉原のラオックスコンピュータ館で色々な機種を見比べてみたのだが、「低反射ブラックTFT液晶」とかいうシャープお得意の液晶が、店頭で映えて見えたからだ。ただそれだけ。

で、プロバイダの方はというと、この頃自分はクレジットカードを持っていなかったので、口座引落しに対応している所を探していて、適当に雑誌をみて電話していったら、最初にOKと言ってくれたのがSo-netだったというだけの話だ。

インターネット自体には、大学の頃にちょっとだけ触れてはいたが、あの時はまだWindows95発売前で、コンピューターセンターのネット専用の部屋に、インターネットに繋がるワークステーションが2つか3つ置いてあって、受付で専用のレーザーマウスとマウスパッドを借りてきて使用するという、なんだか気軽に触れにくい雰囲気の端末だったので、あまり楽しんだという記憶はない。

だが、今度は自分の好きにネットを使うことが出来るのだ。とはいえ、世はまだ従量制の時代で、使った分だけお金が取られてしまうので、当然テレホーダイに入った。夜の10時前になると、必ず「ピーガーーーーーーーーーー」というモデム音が自分の部屋には響きわたっていた。

ポータルサイトなんてYahooしか知らなかったので、当然ホームページはYahooJAPANに設定し、検索サイトもYahooを使っていた。日本では、まだGoogleなんて(たぶん)影も形もなかった時代だ。

そんな流れで、情報収集というか、口コミなどを調べるのに使っていたのもYahoo掲示板だった。もう当時のYahoo掲示板がどんなスタイルだったのか忘れてしまったが、何回か書き込んだりした事もある。

だが、Yahoo掲示板は自分としては書き込まれるスピードが遅く感じた。自分が入り浸っていたジャンルが、マイナーなものだったせいかもしれない。速報性の高いニュースなどの掲示板はもっとレスポンスが早かったのかもしれないが、自分が書き込んだ質問に、答えが返ってくるのが数日後などという事はザラだった。

そして、もっと便利な掲示板はないものかと探しているうちに、必然的に辿り着いたのが2ちゃんねるだった。

最初は何も知らないウブなネット民だったので、ブラクラを踏んでしまって大変な事になったりもして、「2ちゃんって怖い」というイメージが焼き付いてしまったが、慣れてみるとゴチャっとしてはいるが情報量が非常に多く、書き込みも早いので、うまく使えば有効な情報収集ツールになることを実感していった。

そして、実家に帰って来て、今の会社で働き始めた2000年代には、2ちゃんねる専用ブラウザを使うまでに、自分の生活に密着したものになっていった。

 

ケータイでもiPhoneでも2ちゃんねる。

携帯電話でアプリが使えるようになると、「iMona」という2ちゃんねる閲覧専用アプリを使っていた。

このアプリは結構優れ物で、お気に入りの登録や、未読管理など、実用に耐えうるだけの機能は備えていた。1画面1レス表示という変わった仕様だったが、方向キーの右と左で次々レスを送っていけるので、片手で手軽に2ちゃんを閲覧することができ、これのお陰で会社の休憩時間も2ちゃん三昧だった。

その後、2010年にiPhoneを買うことになるのだが、その際に必須アプリとしてあらかじめiTunesでダウンロードしておいたアプリの中にも、2ちゃん閲覧用アプリ「BB2C」が入っていた。それくらい、自分の生活の中で2ちゃんの占める割合は高かった。

BB2C

BB2C

  • INFOCITY, Inc.
  • エンターテインメント
  • 無料

2ちゃんがサーバー落ちして見られない時は暇を持て余したし、いわゆる「祭り」が起きた時は、勢いを見て楽しんだり、秀逸なレスを見かけては笑ったりして、大いに2ちゃんライフを楽しんでいた。

だが、ある一つのスレをきっかけに、自分の中での2ちゃんねるの地位は大きくダウンすることになる。

それは、東日本大震災が起きて少し経った頃だった。

 

絶対に許せないスレタイ。

いまさらだが、2ちゃんねるは各ジャンルごとに「板」と呼ばれるカテゴリに分けられていて、それぞれその板には「スレッド(スレ)」という名のトピックスがあり、スレを板に作ることを「スレ立て」と言う。そのスレに書き込まれたものを「レス」と言うのだ。。

スレッドのタイトルは略して「スレタイ」と呼ばれ、これはスレを読むかどうかの重要な指針になる。ブログなども同じだが、つまらなそうなスレタイだと恐らく読まれない。

自分がよく見ていた板は、「ニュース速報板」や「芸スポ板」、それと家電関連やゲーム、サッカーの板だった。

だが、その中の「ニュース速報板」は、スレタイの付け方が変わっていて、記事のタイトルがブラックジョークだったり、時には笑えない不謹慎なタイトルになっていることがあった。面白いものもあったが、「これはちょっとどうかな…」と思ってしまうようなスレタイもあった。

2011年5月14日。その日の朝、いつもの様に朝起きて夜中に何が起きていたかを知るために、まず「ニュース速報板」を覗いた。そして、信じられないスレタイを目にした。

 

「東北のクソ◯◯が1万5000人も死んで気分がいい マジでいいニュース」

http://hatsukari.2ch.net/test/read.cgi/news/1305325910/

※「クソ◯◯」の部分は差別用語なので、自主規制しました。確認したい方はリンク先へどうぞ。

 

自分は、原発からはかなり遠い所に住んでいるとはいえ、一応「被災地」とされる所に住んでいる。そう、東北地方に住んでいるのだ。その自分には、このスレタイは許しがたいものだった。

いくらなんでも不謹慎すぎるし、どのくらいの人が笑えると思って、一体どこのどいつがこのスレタイでスレ立てしたのか、とにかくその心境が信じがたかった。自分は、この屈辱を忘れないために、このスレのURLをEvernoteに保存した。

そのスレが2ちゃんの総意ではない事くらいよくよく承知している。でも、自分はその日以来、2ちゃんを毛嫌いするようになった。まとめサイトなんてもってのほか。まとめサイトをTwitterでリツイートする人がいたりすると、途端に気分が悪くなった。

今でも、BB2CはiPhoneにインストールされてはいるものの、アプリを起動する機会は以前から比べれば激減した。あれほど、生活に無くてはならないと感じた2ちゃんねるが、たった一つのスレタイで「見たくもないなにか」に変わってしまったのだ。

この事を自分と同じく2ちゃん愛用者だった妻に告げると「うわぁ…」と言っていた。なにか、勝手な言い分だが、二人とも信じていた何かに裏切られたような思いだった。

現在、2ちゃんねるにどれほどの書き込み数があるのかはわからないが、このエントリを書くために久しぶりに覗いた、かつて訪れていた板の勢い(1日に書き込まれるレス数を表した数字)は、以前から比べると随分減っていた。2ちゃんねるも分裂騒ぎとかがあって、利用者が減ったんだろうか。

とにかく、自分のみならず妻にとっても、もう2ちゃんねるは必要のないものになった。かつてとは違い、今は2ちゃんが無くても情報を収集する手段は山のようにあるのだ。

だから、あえて言おう。

僕達に、もう2ちゃんねるは必要ない。