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Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

日本vsカンボジア あっさりマッチレビュー ロシアW杯アジア2次予選

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煮え切らない前日会見。

6月の失意というか、むしろ失望のシンガポール戦から東アジアカップの中国戦まで、日本代表はアジア勢に対して未勝利の状態が続いている。ここまでアジアで「勝てない」状態に陥ったのはいつ以来だろうかというくらい覚えがない。

当然、マスコミも、そしてハリルホジッチ自身もその辺りは気にしている様子で、前日会見では「単なる勝利なのか、あるいは大量得点を望むのか」といった質問も飛んでいた。

それに対し、ハリルホジッチは

勝つことを要求する。10点取れれば問題ないが、そんなに選手にはプレッシャーをかけたくはない。勝利すれば自信もつくし、喜びも湧くだろう。シンガポール戦から2カ月が経ったが、いろいろな人から同じ質問を受けたし、私自身もシンガポールになぜ引き分けたか、ずっと考えてきた。選手はもっとやれたと思っているし、私はさらにもっとやれると思っている。そのために、選手には疑問なしで勝ちにいこうと話をした。

と、答えている。

だが、その得点の取り方については

昨日は戦術のトレーニングしかしていない。前に行くための、さまざまなソリューションを提示した。アグレッシブさも要求したし、われわれが(ペナルティーエリア内)16メートルの中に入っていこうとか、ときどきPKを誘うようにも話をした。 

 というような話もしている。

日本代表は、常々「マリーシア」が足りないなどと言われてはいるが、監督自身から「PKを誘っていくように」などという注文が公の場で出たのは初めて聞いた。

正直、どう控えめに見積もっても、勝利は揺るがないと思われていたシンガポール戦に引き分けたことで、ハリルホジッチも、選手も、そしてメディアも、少しナーバスになっているのではないかと思えるような、そんな前日会見だった。

sports.yahoo.co.jp

 

引いた相手を崩す難しさ。

そんなカンボジア戦のスタメンは以下の通りだった。

GK 西川周作 12
DF 長友佑都 5
DF 森重真人 6
DF 酒井宏樹 19
DF 吉田麻也 22
MF 本田圭佑 4
MF 香川真司 10
MF 山口蛍 16
MF 長谷部誠 17
FW 岡崎慎司 9
FW 武藤嘉紀 14

事前に漏洩があったなどと報道されたりもしたが、今回呼ばれているメンバーから考えれば妥当なスタメンであるし、カンボジアだってこのくらいのことはスカウティングしていると思われるので、特にこの件は問題にはならなかったと思っている。

www.soccer-king.jp

試合は、前半から攻める日本と守るカンボジアといった、力関係通りの展開になった。だが、日本のゴール前での細かい詰めの甘さのようなものが見え隠れし、なかなか先制点が入らない展開が続く。

前半13分には、酒井から送られた低いクロスを武藤がヒールで合わせるシーンがあったが、これはゴール前の混戦に跳ね返された。

セットプレーでも素直なボールが多く、相手にしてみれば守りやすいような工夫のないプレーが多く、コーナーキックの数だけは多いのだが、決定的なチャンスには至らない。

そんな中、本田がその個の力でカンボジアゴールをこじ開ける。

前半28分、中央でボールを受けた山口螢が、そのままフリーの本田にボールを渡すと、本田は左足を振り抜き、ついにカンボジアゴールにボールを突き刺した。相手DFがブラインドになって、GKはボールが突然目の前に現れたように思っただろう。

その後も、日本は優勢に試合を進めるのだが、相変わらず最後のところで噛み合わずに点が取れない展開が続く。

特に、前半43分の、武藤のグラウンダーのクロスからゴール前でフリーになった香川がシュートを外したシーンは、香川が感じているであろう精神的なプレッシャーを象徴するような場面だったように思う。

結局、前半はこの本田の1点のみに終わった。

 

ようやく生まれたゴール。

後半も、前半から続く日本が攻めてカンボジアが守るという展開は変わらない。

後半5分、高い位置でボールを繋いだ後、エリア内で長友から山口、そして最後はオーバーラップして来ていた吉田に繋がり、その吉田が素晴らしいミドルシュートを放つ。これがゴール左隅に突き刺さり、日本がようやく追加点を挙げる。

この後、ハリルホジッチはフォーメーションの変更を指示する。武藤が2トップの一角に入り、香川をサイドに張り出させた。

後半16分、ついにというか、ようやく香川に待望のゴールが生まれる。

中央で山口がボールを受け、その後本田→岡崎とボールが渡る。ここで岡崎が素早いターンをしてシュートをするがカンボジアDFの壁に跳ね返された。だが、そこに香川が詰めて、低いシュートを放ち、これがゴールネットを揺らす。なにやら重荷のようなものを背負っていた香川にゴールが生まれたことで、ハリルホジッチもサポーターも一安心したことだろう。

後半20分には武藤に代えて宇佐美貴史を、33分には岡崎に代えて興梠慎三を、そして38分には本田に代えて原口元気を立て続けにピッチに送り込む。これは、次のアウェーでのアフガニスタン戦の事も考えての交代だろうと思われる。もちろん、代わりに入った選手に期待されているのはゴールであることは間違いないが、この後はなかなかゴールを割ることが出来ずに、試合は3-0のまま終了した。

 

最低限の結果は出したが…

正直いって、得失点差を考えると5点は欲しかったこの試合ではあるが、結果的には3-0の勝利に終わった。

細かいディテールを修正すればまだまだ点が取れると思える場面が多かっただけに、試合を見終わった後に爽快感が残ったかと言われれば、決してそうではないとしか言い様が無いだろう。

このクラスの相手であれば、当然守りに割く人数は多くなるが、中盤のプレスもそれ程厳しくはなく、もっと自由にボールを回したり、相手を揺さぶったりといった「試合巧者」的な戦い方が出来たはずだ。

そういう意味では、この試合の結果や内容には満足感はあまりない。日本代表の実力をしっかり引き出せば、もっといい試合が出来たはずだし、もっと素晴らしいゴールを生み出すことは出来たはずなのだ。

次はアウェーのアフガニスタン戦になる。アウェーとはいっても、アフガニスタン戦は第三国での戦いになるため、相手のサポーターがどのくらい来るのか不明ではあるが、埼スタでやるような強烈な日本サポーターの後押しは期待できない。

アフガニスタンは、カンボジアとそれ程実力的には変わらないチームだとは思うが、それでもシンガポール戦のように、チャンスを逃し続ければ何が起きるかわからないし、今日のカンボジア戦のような内容でも、この先のアジア予選を考えると、正直楽観できるような出来ではない。

今後は、2次予選をどう戦うか、ではなく、最終予選を見越した戦い方をして欲しいと、切に願う。