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自分用備忘録的な何か。

新国立競技場デザイン2案が公開。両者を見比べてみた。

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揉めに揉めた2020年東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の新たなデザイン案が公開された。

今回公表されたデザイン案は、一応A案、B案となっているが、報道では隈研吾氏と伊東豊雄氏らのものとされている。ちなみに、JSCのウェブサイトでは詳細については触れられていない。

www.nikkansports.com

注目のデザインであるが、両者ともにスタジアム全てを覆う屋根はなく、木材をふんだんに使っているという共通点がある。古いお寺が今でも健在なのを見る限り、木材を使っても問題は無いとは思うのだけれども、こういう建築物に木材を使うというのはなんか新鮮だ。

というわけで、新国立競技場のデザイン案をちょっと見比べて、感想を書いてみようと思う。とはいえ、JSCのウェブサイトには「著作物なので無断使用禁止」と書いてあるので、写真は載せられない。代わりにGoogleNewsのTwitterアカウントでサムネが確認できるので、そっちを載せておこう。上がA案、下がB案である。

下記URLにて技術提案書がダウンロードできるので、各自確認されたし。

http://www.jpnsport.go.jp/newstadium/tabid/490/Default.aspx

 

A案

総工費はおよそ1489億円。テーマは「木と緑のスタジアム」

どうやらA案は自然との融合を意識したデザインのようで、提案書には完成時の予想図と30年後の予想図が併記されている。数十年経って、スタジアムの周りの樹木などが成長して初めて完成するという事だろうか。敷地外の緑化計画などにも言及されている。

スタジアムは5階建て。地下は2階まである。屋根までの高さは73メートル(見えている部分の高さではない。B案も同様)。各階には樹木が植えられており、イメージ図では緑に溢れたスタジアムになっている。この計画書では「空の杜」と名付けられていた。

観客席を覆う屋根部分には、シースルー型太陽光パネルが使われている。「8万人モード時の観客席までを覆う」と記載されている通り、トラック部分に増席をして球技専用にすることも可能なようだ。可動式なのかどうかはちょっと良くわからない。「モード」という言葉が使われている所を見る限り、可動式かもしれない。

外観でかなり注目されるのが、コンコースの屋根部分、地上から見た天井部分というべきだろうか。ここに、鉄骨と木材のハイブリッド構造が用いられており、見た目は木材建築のように見える。ここに、例の「空の杜」があることでコンクリートとは違った柔らかさを醸し出している。

通気性も考えられているようで、各コンコースから入り込んだ風が観客席を通ってトラック・ピッチ部分に降りてきて、そこから上昇気流で屋根に向かって抜けていくという仕組みになっているようだ。観客は常に後ろからの風を感じるのだろうか。

各階のラウンジやテラスなどは、和室の様なデザインになっており、実に美しい。

 

B案

B案は総工費1496億円。「杜のスタジアム」と、名前がつけられている。テーマは「21世紀の新しい伝統」

このデザイン案の最大の特徴は、屋根を支える神殿のような巨大な柱だろう。この高さ40メートルを超える柱を72本も使い、白磁の様な美しい屋根を支えている。このスタジアムも増席をして球技専用にする事ができるようだが、「改修」と書かれているので可動式ではないだろう。まあ、A案も可動式とは限らないのだが。

高さは83メートル。3階建てだがこちらの方が屋根までの高さがある。太陽光パネルなどの仕組みはこちらにはなさそうだが、雪止め、鳥害防止ワイヤー、防鳥ネットなどの実用的な機能が記載されている。地下はやはり2階まで。

内部の施設に関しては、やたら黒塗りの部分が多くてよくわからない。ラウンジなどがどうなっているかわからないが、スタジアムのコンコース部分には「四季の回廊」という名前がつけられている。「杜のスタジアム」というくらいなので、なにか観葉植物的なものがコンコースを彩るのだろうか。イメージイラストくらい欲しかった。

外観に関しては、かなり荘厳な雰囲気で格好いい。写真だけを見て選べと言われれば、自分はB案を選ぶかもしれない。それくらい、このぶっとい柱が並んでいるのは迫力があるし、縄文遺跡の再現図みたいで日本らしさもある。まあ、パルテノン神殿みたいと言われればそうなのだが。

 

個人的にはA案かな。

というわけで、今回公表された2案を見比べてみたのだが、見た目だけならB案、色々吟味してみたらA案の方がいいかな?というのが、自分の感想だ。

どちらも今風のスタジアムに、木材をアクセントに使って自然との融合を目指しているように思えるが、なんというか心意気やビジョンが伝わってくるのはA案の方だった。

勿論、建築なんて何もわかっていない素人が適当に感想を述べているだけなので、専門家が見れば「いや、こっちの方が(技術的に)優れている」という意見も出てくるだろう。

旧国立競技場は、東京に住んでいた時にはJリーグの試合を見るためにかなり通った。あの時期、鹿島アントラーズがカシマスタジアム改修の為に国立で試合を開催していたのだ。そういう意味では自分は結構国立競技場に思い入れがある。

今後、実際にここを使用するアスリートの意見や、建築の専門家などの意見を聞いた上で、来週中にデザインが正式に決定するとのことなので、どっちの案になるのかを楽しみに待つ事にしよう。

ちなみに、前のザハ案の方が良かったとか、金額の上限を設けるべきじゃなかったって後出しジャンケンしてる人がテレビやネットで散見されたけど、それはズルイと思う。もうどうしようもないんだから、この2つのどちらかを選ばざるを得ない。

仕方ないね。

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