読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

殺しに来ないBloodborneは何の夢を見るのか。

ゲーム

まだ精神的に立ち直っていないし、思考回路もきちんと働いているわけではないので、まとまらないかもしれないが書く。

先日下記のような記事を読んだ。

すべてのゲームには難易度オプションを実装するべきだ

damonge.com

tay.kinja.com

これは上記のコラムの翻訳記事である。だから「日本のゲーム業界」に向けて書かれたものではない事を最初に述べておく。

DARK SOULSやBloodborneは「難しいのがウリ」だ。

心が折れるほど難しいゲームに解法を見出し、自らの腕前を磨き、周到に用意された困難を乗り越える。そこに至上の喜びがあるゲームだ。

冒頭のコラムでは、たとえDARK SOULSやBloodborneにイージーモードが実装されてもゲームの体験を薄めないと主張しているが、もし、このゲームにイージーモードを実装するならば、そもそも開発段階での調整が必要になり、ここまでソリッドなゲームには仕上がっていなかっただろう。

DARK SOULSやBloodborneがここまで名作たり得たのは、ひとえに今の世の中に失われつつあった「手取り足取り導いてくれる優しさ」を排除したからである。それが、逆に新鮮だったからコアな人達にウケたのだ。ターゲットが違うのである。

ゲームを始めたばかりの人はみんなカジュアルだ。そんなの当たり前である。件のコラムは「そんなカジュアルなユーザー」がBloodborneみたいなゲームをジャケ買いして打ちのめされたらもう二度とゲームをやらないだろうといっているが、確かにそれはあるかもしれない。だが、確率的にそれはどのくらいだ? 

BloodborneのESBRでのレーティングは「M」だ。つまり、CEROでいうところのZ指定相当である。ESBRにおけるMは、「保護者の同意がないと販売不可」だ。つまり、(レーティングが機能していれば)17歳未満の子供は買えない。

Bloodborne自体のユーザーの平均年齢層はわからないが、欧米のゲーマーの平均年齢が35〜40歳程度であることを考えると、DARK SOULSやBloodborneをティーンエージャーがこぞって買いに来るとはちょっと思えない。

Bloodborneのワールドワイドでの販売本数は現時点で210万本。スーパーメガヒットとはいえない。もとよりそういうゲームではない。買う人は買うが、見向きもしない人も多い。それがBloodborneというゲームだ。そもそも誰もが遊ぶゲームではないのだ。Bloodborneが「ゲームという娯楽の入り口に立ちはだかる高い壁」だとはちょっと思えない。

一番理解できないのは下記の部分だ。

Red Dead Redemptionでは興味深い試みを取り込んでいる。何度もプレイヤーが同じシーケンスで失敗した場合、その場面をスキップして次のシーンへと進むこともできる。

そのようなシステムを備えることによって、Red Dead Redemptionではすべての腕前のプレイヤーに基本的にすべてのゲームシステムを楽しませることを実現している。この手法は賞賛されるべきだ。

このシステムはL.A.NoireやGTA Vにも実装されていた。

ゲームが他の娯楽と決定的に違うのは、目の前のシークエンスを体験できることだ。だが、上記の方法はそれを放棄してお話を見ることを優先する。たしかに数千万本売らなければならないRDRやL.A.NoireやGTAにはあってもいい機能かもしれない。

だが、Bloodborneはそういうゲームとして作られていない。ターゲットが違うのだ。シークエンスをスキップし、「クリアしたことにして」先に進む事の出来るBloodborneにどれほどの価値があるというのか。

ちなみに、たとえ難易度が選択できたとしてもクリア率が上がるとは限らない。自分のトロフィーリストで確認してみたが、たとえばFallout4のクリア率は現時点で19.7%だった。コラムの筆者が賞賛しているシークエンススキップ機能が付いているGTA Vのクリア率は31.8%である。コラム内でBloodborneのクリア率は下記のように触れられている。

クリア率はトロフィー機能から推測すればわずか30%ほどだ。 

シークエンススキップ機能が付いているGTA Vと同じではないか。それとも、日本のPSNは日本のトロフィー取得率しか見られないのかな? ちょっとその辺の仕様はわからない。

もちろん、GTAとBloodborneでは、ユーザー層が違うのは重々承知している。発売からの経過年数にも随分と差がある。それでも、トロフィー取得率を根拠に「Bloodborneはクリア率が他と比べてクリア率が低いからダメだ」というのは無理があるのではないか。

だいたい、トロフィーリストを眺めていればわかるが、殆どのゲームはクリア率が30〜40%台なのだ。なんで「Bloodborneのクリア率が30%」であることを問題にしているのかがわからない。だったら、難易度設定が付いているのにもかかわらず、クリア率が30%台な他のゲームを問題視すべきだろう。

多様性は尊重されるべきだ。真ん中のボタンを押しているだけで誰にでもクリアできるゲームはあってもいいが、ユーザーと開発者の真剣勝負のようなゲームだってあっていい。DARK SOULSやBloodborneが光ったのは、そういうゲームだったからだ。

個人的な意見としてまとめさせてもらうと、「イージーモードの実装が増えるのは構わないが、すべてのゲームに絶対に必要だとは思えない」だ。

もっとハッキリ言うと、殺しに来ないブラボなんてまっぴらごめんだ。

Bloodborne(通常版)

Bloodborne(通常版)