Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

娘、大地に立つ。

ここ最近、娘に大きな変化が訪れた。立ちあがり、そして歩いたのである。これは、殆どの人には小さな一歩だが、娘にとっては大いなる飛躍だ。

掴まり立ち自体は随分前からしてはいた。だが、なかなかそこから先に進まなかった。とはいえ、別に焦っていたわけではなかった。子供の成長には個人差が出やすいものだし、そもそもうちの娘は身長も体重も成長曲線の上の方なので、早く歩けるようになるとは思っていなかったのだ。

自分の従兄弟はかなりサイズが大きかったので、2歳になる直前まで歩かなかった。ついでに言葉を話すのも遅かった。それでも、いまでは普通に成長し大学を卒業して社会で働いている。この時期の早い遅いなんて、殆ど誤差の範囲内だと思っている。

それでも、実際に娘が立ったのを見るのはとても感慨深かった。

生まれたての小鹿のように下半身がガクガクとしていたが、確かに両足で大地を踏みしめて立っている。実際にはフローリングだがこまけえこたぁいいんだよ。ほんのわずかな時間だったが、嬉しそうな顔をして立っている娘の顔が見られてとても幸せだった。

一度出来るようになると、次からは事もなげに立てるようになった。だが、なかなかその先には簡単には進まなかった。腰のあたりのバランスが悪くて、前に体重移動が出来なかったのだ。

手を引いて歩かせようとしても、途中で膝が折れてしまい、ペチャッと座り込んでしまう。二足歩行というものはかくも難しいものだったのかと思い知らされた。猿からヒトになった人類の進化は凄い。

無理矢理に歩かせようとは思っていなかった。いつか何かのパラダイムシフトが起きて、突然できるようになるのだろうと思っていた。そして、その日は本当に突然訪れた。

ある日、保育園から帰ってきて、洗濯物を出しに脱衣所に行った時だった。ペタペタと後を追って娘がハイハイしてきた。その日はなんかやる気があったらしく、リビングのドアの蝶番の部分に掴まって立ち上がった。ニコニコしながらこっちを見ているので、手を取って立たせてみたところ、そのまましばらく体勢を維持したかと思ったら、突然両手を挙げてドーン・オブ・ザ・デッドのゾンビのようにテコテコテコ!っと歩いて来たのだ。

娘の顔はそれまで見た事のないようなニコニコの笑顔だった。

あまりに突然の事であっけに取られたが、冷静になってもう一回同じシチュエーションを生み出してみた。やはり娘は両手をガバッと挙げて、ニッコニコ顏でテコテコテコ!っと歩いて来た。どうやら両手を挙げることでバランスを取っているようだ。

今度はビデオに撮ろうと思って、iPhoneを録画モードにしてやってみる。すると途端に娘は歩かなくなった。よくあるパターンである。

その日は、娘の初節句のお雛飾りを開封すると決めていた日だった。自分は腕の調子もまだ万全ではないので、開封と飾り付けは妻に任せて、娘を見守っていた。

クローゼットの扉を全開にしておいたら、その扉の方に行き、つかまり立ちをした。そして、反対側にいる自分にニンマリ笑顔を見せた。なんとなく予感がしてカメラを構えて待っていると、自分の方に向かって満面の笑みで歩いて来た。すぐさまiCloudの共有フォトストリームに「歩きましたー!」とキャプションをつけてアップロードした。

一度壁を越えると、もうそこからは歩きたくて仕方がないといった感じで、自分や妻の手をとっては、歩かせろとせがむようになった。ウチのアパートは狭いのでたいした探検は出来ないが、それでも今まであまり行かなかった廊下に出るのが楽しいのか、真っ暗な廊下でも「キャッキャッ」と声を上げて喜んでいる。

最近では保育園の行き帰りも時々靴を履かせて一緒に手をつないで歩いている。たまに疲れたのかやる気がないのかへたり込んでしまう時があるが、今まではただ運搬されるだけだった道を自分の足で歩く娘の顔はとても満足そうだ。

まだ何もない空間で一人で立ち上がる事は出来ないが、何かに掴まったり、手を差し伸べてやると楽々と立ち上がって歩くようになった。

お陰で自分のメガネケースはガンガンに踏まれてベコベコになっているが、娘のニコニコ顔を見ていると、特に怒る気にもならない。

去年は忙しくてとても行けなかったが、今年は鶴ヶ城の桜を見に行こうと思っている。

初めて見る桜は、娘の目にはどんな風に映るんだろうか。そしてその顔は、どんな表情を見せてくれるのだろうか。

今から楽しみだ。

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