Yukibou's Hideout on Hatena

自分用備忘録的な何か。

レトロゲーム回顧録その50 ゼビウス

小学生の頃、どうしてもやりたくて仕方ないゲームがあった。シューティングゲーム(以下STG)の歴史を変えたと言われる伝説のゲームであり、ファミコンに移植され大ヒットを飛ばしたナムコの縦スクロールSTG「ゼビウス」である。

f:id:potatostudio:20160623103906p:plain

なぜゼビウスがやりたかったのかというと、まずその評判がとても良かったからだ。STGなのに世界観がきっちり設定してあって、奥深さを感じさせることもあったし、原色が多かった当時のゲームのグラフィックスの中で、中間色を上手く使った斬新なデザインはまさに画期的だった。

ゲームデザインも、縦にスクロールしていくというのはゼビウスが元祖で、アンドアジェネシスなどの巨大ボスが登場するのも、地上・空中のショットの撃ち分けが出来るのも、何もかもゼビウスが最初である。

ゼビウスは、敵の出現パターンがプレイ内容によって変化する、いわゆる「ランクゲー」であり、しかも敵には無人機と有人機の区別がなされており、有人機は自機に体当りしてこないなどの細かいアルゴリズムも設定されている。ちなみに、有名な「バキュラに256発打ち込むと倒せる」という噂は、残念ながら解析でバキュラが無敵であることが判明しているので、実行不可能である。子供の頃信じたわー

地上には隠しキャラとして「ソル」や「スペシャルフラッグ」などが点在しており、こういうボーナスキャラを探していくのも楽しかったし、各ゲーセンにあるコミュニティノートや同人誌を通してじわりじわりと解明されていった。その同人誌でも最も有名な「ゼビウス1000万点への解法」という本を作った人の一人が、後に「ポケットモンスター」を手掛ける田尻智氏だったりするから面白い。

ゲームとして革命的なフィーチャーを多数搭載したゼビウスだが、ゲームの域にとどまらないもっとも素晴らしい部分が、冒頭に言った「ゲームの世界観」をキッチリと作りこんで、ストーリー性をもたせたことだろう。

ゼビウスには「ゼビ語」というものが存在しており、全ての敵キャラに名前がつけられている。

例えば、「ゼビウス」は、4を表すゼビと星を表すウスという言葉を組み合わせた「第4の星」という意味である。他にも色々と意味があり、作者の遠藤雅伸氏のブログに詳しいことが書かれているので、参考にされたし。

ameblo.jp

この頃のゲームには、ストーリーなどというものは殆ど存在しなかった。とにかく「インベーダー的なものが攻めてきたので倒せ」程度の設定だったのだ。なので、敵もインベーダーやUFOなどの見た目でわかるような名前しか付いていなかった。

ゼビウスはそれを変えた。すべての敵には固有の名前がつき、通称があり、コードネームまで付けられていた。例えば、ボスであるアンドアジェネシスの通称はマザーシップ、コードネームはアドーアギレネスである。カッコイイ。中二っぽくて実にカッコイイ。

これらの設定は「ファードラウト・サーガ」というものに基づいており、後に遠藤氏自身の手によって小説化されている。このファードラウト・サーガは本当に設定が細かく、裏設定も満載の小説らしいのだが、残念ながら自分は読んだことがない。一度見てみたい。

小説ゼビウスファードラウトサーガ

小説ゼビウスファードラウトサーガ

 

※なんかAmazonで2600円くらいで売ってるけど、プレミアが付いているんだろうか。

 

ゼビウスは、その関連商品?も話題性のあるものが多い。その中でも最も有名なのは、やはり史上初のゲーム音楽のサウンドトラックだろう。なんといってもYMOの細野晴臣プロデュースである。当時はオリコン19位に食い込むなど、結構売れたらしい。

スーパーゼビウス

スーパーゼビウス

  • アーティスト: ゲーム・ミュージック
  • 出版社/メーカー: サイトロン・デジタルコンテンツ
  • 発売日: 2001/10/11
  • メディア: CD
  • 購入: 1人 クリック: 36回
  • この商品を含むブログ (19件) を見る
 

※復刻版。ボーナストラックや遠藤氏のインタビューブックレット付き。

 

自分のゼビウス体験は、多くの人がそうであったように、ファミコン移植版が最初だった。ファミコン版は縦画面を横画面に収めたため、アーケードの完全移植版とはいかなかったが、当時としては高水準の移植度を見せており、ミリオンヒットを記録した。

ファミコン版にはデバッグ用の無敵コマンドが存在した。IIコンを使って面倒なコマンドを入力するものだったが、それを安易に使って遊んでいたため、ゼビウス=チョロいみたいな間違った刷り込みが自分にはなされていた。その頃、わが町にはゲームコーナーが存在せず、結局アーケード版のゼビウスをプレイする機会はなかったのだ。

それから十数年経った1996年。ナムコミュージアム VOL.2に収録されていたゼビウスを初めてプレイした。あまりの難しさに驚いた。適当にやっていたらアンドアジェネシスにすら辿りつけなかった。

シューターとしての腕にそれなりの自負があった自分はショックを受け、真面目にゼビウスを攻略しようと考えた。そういえば、ゲーメストの増刊号「ザ・ベストゲーム」にゼビウスの攻略があったはずだと思い出し、それを引っ張りだしてきて読んだ。そして、その後、猿のようにゼビウスに没頭した。面白かった。とても十何年も前のゲームとは思えない面白さだった。

シンプルなゲームシステムと、ランク変動のある難易度、そしてそれをある程度コントロールできる地上物の存在。さらには、そこかしこに隠されたイースターエッグ。今の言葉でゼビウスを説明するのであればこんなところだろうか。

STGは元々、敵を狙って打つ、そして避けるゲームだ。大学生時代の自分に、ゼビウスはそんな単純で、でもとても重要な事を思い出させてくれた。

広告を非表示にする